BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: マリオネットに恋をした、 【よろず短編集】 ( No.4 )
日時: 2012/03/14 14:29
名前: ゆいむ ◆xFvCQGVyfI (ID: wIAOO7NO)


「あっはは! 馬鹿じゃないの?」

 嗚呼、今日の彼女はどうやら苛めっ子の様。
 現在わたしは部屋の隅に追い詰められ、彼女はわたしの目の前で笑っている。けらけら、からから。笑い声だけ聞いていれば普段の彼女にも思えるのだが、生憎そうじゃない。瞳が異常なまでに光っているのがその証拠。

「ねえ、塔子ちゃん」
「塔子で良いよ、まどろっこしい」
「あ、でも……」
「なんだよ? いっつも『塔子』なのに」

 訝しげに彼女は首をかしげる。いけない。
 付き合いだして始めて分かったのだが、どうやら記憶は共有されないらしい。昨日「塔子ちゃん」と呼んでいても、一昨日「塔子さん」と呼んでいても、明日に「とーこちゃん」と呼ぶとしても、それは関係ない。大事なのは今日の彼女に嫌われないこと。
 ……ここまで嫌われたく無いわたしって、正直すごいかも。

「なーに笑ってんだ! 浮気……浮気じゃないよな?」
「違うってば」

 まあ、それでも、彼女が此処に居るから良いか。



--------------------------------------- 微笑んでいるのは何故? ----------