BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: ヘタリア 陰間茶屋 ( No.3 )
日時: 2012/03/22 23:51
名前: 藤桜 (ID: x1kJFLm.)

琉杜(ルート(髪結)×菊

ま、陰間に髪結いなんて居たか知りませけど。

みだれてけさも

菊の真っ直ぐで艶やかな黒髪を櫛削る

「今日はどんな髪型がいい?」

「琉杜さんにお任せします。あ、この間茨綰(イヴァン)様からいただいた琥珀の向日葵だけお願いします。」

「わかった」

菊はこの茶屋で一番人気の男娼だ。自然、菊の値段は高く、菊を買えるのはごくわずかな大尽だけ。
その中でも茨綰は、(平然と琥珀を贈れる程度には)大尽であり、同時に菊の馴染みでもある。

「どうしました?手が止まってますよ」

「ああ、済まない」

今日の菊の着物は、唐紅に菊の花を散らしたもの。それに合うような髪型を考えながら髪を梳いた。

菊は、一番人気の男娼。俺など一服の時間すら買えない。

わかっている、だから、この想いは秘めると決めたのだ。

菊の髪を綺麗に結い上げると、次のものの髪を結う為立ち上がった。
しかし、それは菊が俺の袖を引いた為出来なかった。

「あの、琉杜さん、なにか悩みごとですか?お顔の色が優れないようですが」

彼はなんと敏いのだろう、俺は彼に気取られぬよう、無理に笑顔を作った。

「気のせいだろう、俺はいたっていつも通りだ。」

「そうですか?でも何かあったら言ってくださいね。」

そう言って彼は、俺の唇にその唇を、重ねた。

「き・ ・ 菊!?何を?!」

「ああ、すみません、お客様の癖が移ったようです。」

彼は懐紙を差し出して、さっさと茨綰の座敷へ上がってしまった。
何だったんだ、一体。

彼の唇の触れた唇に触れると、朱い紅が指についた。そういうことか。
彼の懐紙で唇を拭って、その紙を丁寧に懐にしまった。

きっと明日の朝には、俺が綺麗に結った髪は、茨綰に乱されてしまうのだろう。

end

当て字無理、止めます。