BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 神様、それはあまりにも不公平です。 ( No.104 )
- 日時: 2013/05/04 20:38
- 名前: 夜藍 (ID: JuyJRz6j)
第三十五話。
朝が来ると、無性に起きたくなくなる。
夜はいいんだ。別に起きていたって。母さんや父さんは早寝早起きを心掛けているため深夜帯ゲームをしてようがバレやしないし、咎められることもない。
いやまあ考えてみろ、昼間にゲームをたった小一時間しただけでもうやめろだのなんだのってうるさい母親を。
嫌だろう?実に嫌だろう?だから僕は夜を選び、夜に邪魔されることなくゲームをするのだ。
だがそんな僕でも深夜の十二時頃には就寝する。日付が変わったら「休まなきゃいけない」という気にさせられるからだ。
だがしかし、夏休みとは恐ろしい呪いの結晶である。
「明日だって休みだしまあいっかなー」という気にさせ、就寝時間をもう深夜と言っていいのかわからない午前四時に変え、僕を完全に夜型生活と変えてしまった。
でもな、夜型になったところでその分寝てれば別にさほど問題なんてないんだ。
困るのは始業式の朝くらいだろう。そこらへんでまた前の生活に戻るしなんてことはない。
でも今は最大の敵がいるのだ。
「光!光!早く起きろ!朝だぞー!朝ご飯が冷めちゃうぞ!」
「っるせぇ…」
このオカンぶった誰様神様フィリアー様である。
しかもそこにプラスして…
「光様、あまりお目覚めが悪いようでしたらスタンガンで痺れさせて気分爽快、スッキリというのもありですが。」
「待て待て、おい、人間の常識越えてるよ!それ確実に死ぬだろうが!」
この美少女…じゃなかった美少年(正直僕はまだ信じれていない)死神メルレッティ。
メルレッティは首を傾げたポーズのまま「あら、」と続ける。
「死にやしません。昏倒するだけです。」
「どうせまた眠りに落ちるだろうが…!あーもーいいよ!わかった!起きる!起きるからスタンガンしまえぇぇぇええ!!」
僕の必死の叫びにメルレッティは即座にスタンガンをしまい僕の手を取った。
「さあ参りましょう光様。階段下までお送りします。」
「階段くらい一人で行けるっつの!」
「いいえ、なりません。光様の家の階段はとても暗がりになっております故、お兄様が手を出しても見つからない場所なのですよ。」
なんで知ってるんだよコイツ…と疑いの目を向けると、メルレッティはそれを悟ったように「リサーチ済みですよ。」と言った。
後ろではフィリアーがむくれて拗ねていたが、なに気にすることはない。少しすれば機嫌を直して僕に飛びついてくるのだろう。
とにかく僕としてはあと二時間ほど睡眠時間が欲しいところなんだがな…
眠い目をこすりながらメルレッティに手を引かれ、一階へと僕は降りた。
とりあえずメルレッティがいる間は僕の貞操は守られるであろう。
思ったより優秀みたいだしな。