BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 神様、それはあまりにも不公平です。 ( No.112 )
日時: 2013/12/14 12:08
名前: 夜藍 (ID: 4pC6k30f)

第四十一話。




………いやいやいや。
こいつ今なんつった?メルレッティが僕に恋してるだと?
「ありえないだろ…」
「だが朝からのメルレッティのお前に対する態度を考えてみろ?どう考えても恋だろう。恋以外ありえん。」
断言までするかコイツ。
「そう思うのはお前の脳みそが乙女だからじゃないか?」
「私の脳内は乙女などではない。あくまで一般的な考えだ。」
神様に一般的とか言われても説得力に欠けるのだが。
だが確かにメルレッティの態度はおかしい。あれが僕に向けられるものなのか、その他の事で動揺しているのか、まずそれは好意などによるものか、はたまた嫌悪か_________
考えれば考えるほど頭がこんがらがってくる。

「嫌われてたら、どうしよう…」
そんな考えが、ふとよぎり、口に出た。
図書館の件やフィリアーの話から、メルレッティがどれほどの苦労をしてきたのかを知った。そして彼の優しさや、可愛らしさを知った。
僕が持っている好意は、恋などではないが、メルレッティに嫌われたとなると凹む。正直凹む。
一緒に過ごしてきた時間は短いが、メルレッティはいい子だとそう思うからだ。

「メルレッティに嫌われたらショックなのか?」
「…まあな。」
ほう、と髪をかきあげフィリアーが急に僕の腕を手繰り寄せ、僕を抱きしめた。
「っ!?なんだよ急に!!」
突き飛ばそうとしながら顔を上げると、フィリアーの双眼が僕を覗き込んでいた。
「なら、私はどうだ?光。」
「はぁ!?お前になんて別に、嫌われたってどうも、」

どうも、と言葉が詰まった。どうでもいい筈なのに、なんでだよ、意味わからん…

するとガチャ、とドアが開き、僕とフィリアーの間を何かがすごい勢いですり抜けた。
「何をしてるんですか、お兄様。」

話の張本人の登場である。