BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 神様、それはあまりにも不公平です。 ( No.113 )
日時: 2013/12/15 17:40
名前: 夜藍 (ID: cvsyGb8i)

第四十二話。



メルレッティはドアを閉め、鋭い視線をフィリアーに向ける。
「本当に何をしてらっしゃるのですかお兄様。」
「別に普通に戯れているだけだが?というか…」
言葉を切り、フィリアーは壁に目を向けた。
そこに刺さっていたのは角が刃物になっているトランプカードだった。危ない、当たってたら大怪我だ…。
安心して胸をなでおろしたが今この状況は安心できるものではないということに気付く。そうだよ、僕はフィリアーに抱きしめられてたんだった…。

「お兄様、私の任務は光様にお兄様が如何わしいことをするのを未然に防ぐことです。」
「だからって武力行使はよくないと思うぞ?」
苦笑しながらフィリアーは壁からカードを抜き取り近づいてきたメルレッティに手渡す。
「お前のコントロール力を信じていない訳ではないが、もし光に当たっていたらと考えるとゾッとする。」
「それは、そうですが…」
少し弱々しい声音で答えるメルレッティに僕は笑いかけた。
「お前が僕を大切に思ってくれてるのはよくわかった。メルレッティ、ありがとう。」
「光様…」
「でも、次からは急に刃物を投げたりするなよ?僕の命も危ういんだから…」
そういってデコピンしてやると、メルレッティはそこを押さえて「はい」
と答えた。

それで、だ。

「フィリアー。」
「どうした光?」
「いい加減に、離せぇぇぇぇえええええ!!!」

叫びながら右の拳で腹を殴るとフィリアーは「痛っ!!いたぁぁぁぁぁ!!!!」と悶絶しながら転がった。