BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 神様、それはあまりにも不公平です。 ( No.29 )
- 日時: 2012/05/06 10:24
- 名前: 夜藍 (ID: DZWfhZUD)
第八話。
すっかり僕の家に溶け込んでしまったフィリアーがすごく恨めしい。
妹に気に入られてなんだってんだ。デレデレしやがって。
あ、言っておくが僕はシスコンじゃない。断じて違う。
春海がもっとこう可愛らしくて「お兄ちゃん!」とか笑顔で言ってくれるアニメでよくあるああいう属性ならよかった。シスコンになってたと思う。
だが春海は母さんに似てうるさいし、しかもお店の商品を値切るときたもんだ。どこの大阪のおばちゃんだよ全く。
アイドルが好きとか面食いとかは普通の女の子なのにそういう所で損してると思う。お兄ちゃんはそう思う。
フィリアーは春海に一通り方程式の解き方を教えたようで春海の部屋から出て来た。僕は当然のように閉め出されたので部屋の前で待っていたのだ。コイツ一人にすると何をしでかすか分からないからな。
出て来たフィリアーは春海に「フィリアー兄ィはいつでも私の部屋来ていいからね〜」なんて言われてやがる。
僕は出入り禁止だってのにこの待遇の違いはなんだ。
春海に「ああ、また来るよ」と爽やかスマイルを見せた後扉を閉めてから僕の存在に気づいたらしい。フィリアーはこっちに向かってくる。
「実体のある体は疲れるな。少し消えていいか?」
「ああ、ご勝手に。」
僕が冷たく言い放った直後、フィリアーの体がふわりと浮き上がる。
地面に足がついていない。これで実体がなくて僕にしか見えないという訳だな。
風呂に入る為一階に行く。階段を降りながら僕はフィリアーに小声で問いかけた。
「今日土曜日だぞ?明日学校じゃないよな。お前さっき明日学校とか言ってたけど。」
「ああ、時間を早送りしたのはお前と早く学校に行きたかったからなんだ!よって今日は日曜日という訳だ。」
うわ、自分の都合の為に力使いやがって。しかも僕の休みは!?ねえ!僕の休み返せよおおおおお!!
半ば涙目状態の僕はフィリアーを一生恨んでやると心の中で誓った。
いや神様恨むわーとかよく言うじゃん。運命がどうのこうので。
リビングに行くと母さんが食器の片付けをしている。「フィリアーくんは?」と聞かれたので「上の部屋で寝てる」と流しておいた。隣にいますなんていったら僕は精神科に連れて行かれるだろう。
当の本人は隣で面白そうに笑っているけど。完全にこの状況を楽しんでいるけど。
ドアをガラッと開けて脱衣所(洗面所と言った方が正しい)に行く。
眼鏡を外した直後気づいた事がある。
「お前どこまでついてくんだよ!!!」
「どこまでも、地の果てまでもだ!」
「新種のストーカーかてめえは!!!」