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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 神様、それはあまりにも不公平です。 ( No.37 )
- 日時: 2012/05/12 16:58
- 名前: 夜藍 (ID: eVWzcu6j)
第十二話。
「フィリアーくんって独特な話し方するよね〜」
佐久真が話をフィリアーに振る、昼食中。
いきなり振られてびっくりしたのかフィリアーは目を少し見開いていた。そりゃまあいきなりだからな。
だが少しきょときょとした後すぐ真顔に戻り、首を傾げて「そうか?」と佐久真の問いに答えた。
佐久真が言うまでもない。確かにフィリアーは古風な喋り方をする。神様だからってわけでもなさそうだが…
第一フィリアーって外見的にギリシャ神話に出てくる神様みたいなのじゃないのか?喋り方がバリバリ日本の昔の人なんだけど。
「まあ、私にとってはこれが普通だから、周りがおかしく見えるのだがな…」
「フィリアーくんってカナダに住んでたんでしょ?もしかして時代劇見て日本語覚えたりしたんじゃない?」
別にカナダに住んでたとかいうのは嘘なのだが、そうしといた方が都合がいいと思ったのだろう。こくりとフィリアーは頷いた。
「やっぱりか〜。今頃そんな喋り方をする人なかなかいないよ〜」
ふふふっ、と佐久真は笑った。
こういう笑顔が男子を虜にするんだろうな。僕も可愛いと思う。
「美琴は女子から見ても可愛いよー」なんて友達に言われてたのを見かけたこともある。人気者でもある彼女はどこに行っても引っ張りだこなのだ。
僕なんてこれだけ大人しかったらとっつきにくいだろうに、仲良くしてくれるし…
フィリアーだって変わり者だが彼女なら受け入れきれるだろう。
昼休みに入ると、夏の暑さががらりと変わり、急にじめじめとした空気になった。
季節は六月中旬。
…梅雨だってこと、忘れてた。
と、思うよりも先にザァァッと雨が降り出した。
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