BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 神様、それはあまりにも不公平です。 ( No.41 )
日時: 2012/05/17 14:24
名前: 夜藍 (ID: eVWzcu6j)

第十六話。

放課後…
何故か僕は佐久真に呼び出された。
大切な話らしいのでフィリアーには帰ってもらった。アイツがいると色々と面倒だ。空気読まずに騒ぎ立てるし、うるさいし。女子かアイツは。

夕焼けの光りが目に染みる。秋ほど赤々とはしていないがそれなりに綺麗だ。
窓の外を見ると野球部がランニングをしていて、その中に雨月の姿もあり、大変そうだな…と頬杖をつきながらぼーっと眺めていた。

…放課後の教室に男女が二人きり。

さっきから考えるのはそればかりだ。夕焼けに染まった教室で、二人だなんてもうそれってあれしかありえないだろう。ちょっと期待してみたりする。
もしこれで告白されるのならば全力でOKするさ。そうすればフィリアーだって僕の事諦めるだろう。
ていうか女子に呼び出されるなんて大事件だよ。まさかリンチとかじゃねえだろうな…。
まあ佐久真に限ってそんな事はないだろう。
色んな思いを巡らせていると…

「羽生くん、ごめんちょっと遅れちゃった。」
えへへ、と申し訳なさそうに笑う佐久真が教室に入ってきた。
少し顔が赤い。いや夕日に染まってるからかもしれないけど…
僕が「全然大丈夫です。」と笑い返すと、佐久真は「よかった。」と少し安心したように息を吐き出した。やっぱり可愛い子は何しても可愛い。

「…じゃあ、本題なんだけど。」
「…うん。」
じっとこちらを見ている佐久真の視線が痛い。痛いっていうか辛い。そんなに見つめないでー!
顔を伏せていると視界に手紙が映し出された。
可愛らしい熊の封筒に宛先…というか名前が書いてある。
文字数的に僕の名前ではない。そこで少し肩を落としたがわざわざなんでこんな手紙を僕に渡すんだ?

「…それ、フィリアーくんに渡しておいてくれないかな。」
「…フィリアーに、ですか?」
…え?フィリアーってどういう事?
答えはまあなんとなく見えてるのだが、確認の為質問しておこう。


「…これ、もしかしてラブレターですか?」
「うん…そうだよ…」


顔を赤らめながら言う佐久真を僕はただ突っ立ってみていた。