BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 神様、それはあまりにも不公平です。 ( No.44 )
- 日時: 2012/05/19 10:01
- 名前: 夜藍 (ID: eVWzcu6j)
第十九話。
今日は期末テストだというのに…
どうしよう。全然問題が解けん。
今は一日目最後のテスト、数学のテストの時間なのだが…
昨日フィリアーにキスされてから、数学の勉強がもう全く手につかなくって、だな…
いや、フィリアーにそういう気が、芽生えてきたとかじゃない。断じてない。
佐久真の事だ。
佐久真にあんな場面を見られてしまい、朝から口をきけずにいる。
佐久真は友人もたくさんいるのでどこかでぽろっと言っちゃったりしたら大騒ぎだ…。
孤立どころの騒ぎじゃねえぞおい。
しかも佐久真はフィリアーが好きなのだ。
失恋した上、手紙を託した僕に裏切られて(?)あげくの果てに好きな人はホモってるんだから…
どれだけショックだろうか、考える余裕がなかった。
テスト終了のチャイムが鳴っても、僕は机に突っ伏しては唸っていた。
通学路で一人、トボトボと帰りの道。
もうこれでも結構悲しい人なんだけどね。
「…羽生くん。」
「…はい?」
誰かがいきなり声をかけてきた。なんだよおい。僕は今すごく落ち込んでるんだ。ナーバスなんだ。話しかけないでおくれ…。
思いつつも振り返ってみると。
そこには僕の気分を絶不調にさせた張本人が立っていた。
「佐久真さん…。」
「あ、あはははは…」
ぎこちなく笑って見せる佐久真になんかすごく申し訳なくなった。
でも僕はただ一方的にキスされただけなんですよ。合意の上ではなくてですね。だから僕に罪はないはずなんですよ。
返答に困っている僕に、先に口を開いたのは佐久真だった。
「今日、羽生くんの家に行ってもいいかな?」
「…え?はい…。」
その場の空気的な何かでOKしちゃったけど大丈夫なのかこれ。
っていうか昨日のあれ見て僕の家来るってどういう事なんだ?
「…話したいことがあるの。」
佐久真は俯きながら、ただそれだけ言って無言になってしまった。