BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 神様、それはあまりにも不公平です。 ( No.60 )
- 日時: 2012/05/29 08:01
- 名前: 夜藍 (ID: eVWzcu6j)
番外編 「あともう1cmの勇気」春海目線
暑い…っ…。
額の汗をぬぐいながら、水分補給のため、水を飲む。
暑くて、暑くて仕方がない。
なんなのよ、この蒸し暑いサウナ体育館は。クーラーとか取り付けれないの?そんなにお金ないのかなこの学校は。空調整備とかしてくれないから熱中症になる子が出てくるんでしょうが!
扇風機一つ買えやしないなんて絶対どうかしてる。賄賂流したりしてんじゃないでしょうね。
…いや、そんな事じゃないのは分かってるんだけど。
今私は部活の練習で学校の体育館に来ている。
ちなみにバレーボール部で、もうすぐ大会が近いのだ。
サーブすらまともに打てない子もいるけど、私は毎日ちゃんと来てるのでレギュラー入りを果たしている。
後輩もできて忙しいったらありゃしないけど、その分やりがいがあるというものだ。
「あ、春海ーっ!!」
「みゅうちゃん、悠乃ー!!」
友達もこんな風に出来たし。
「頑張ってるね、アタックの練習?」
「うん。みゅうちゃんと悠乃は?」
私が聞くとみゅうちゃん______________鶴橋美羽は髪の毛を束ねながら「私はコントロールに問題がありましてねえ…」と苦笑する。
悠乃こと、美濃悠乃は「アタシはまだサーブが相手のコートの中に入らなくて…」と笑った。
「悠乃は真面目に来ないからダメなんでしょ?」
「だってアタシ忙しいもん。」
「嘘吐かない!悠乃ちゃん私の近所ブラブラしてるじゃない!」
いつも通りの会話だ。平和三人組と称される私たちはすごく仲がいい。
でも、今日は少し違った。
「春海ちゃん、知ってる?三吉先輩の事。」
「おっ!出ました三吉先輩!春海の大好きな三吉先輩!」
「うっさいー!」
悠乃が茶々を入れてきたりちょっかいをかけてくるのはいつもの事なので手馴れている。
こんな性格だからウザがられることも多いけど、私は別に気にしない。っていうか悠乃は面白いからいい。
「三吉先輩、彼女と別れたらしいよ。」
「えっ!やったじゃん春海!チャンスだよチャンスーっ!!」
「…まじでか。うわああ…チャンスだよね…。」
先ほどから話に出ている三吉先輩とは、私がこのバレー部に入るきっかけになった人だった。
一目ぼれだったわけで…。
下心ありありでこの部活に入ったが意外と楽しいし、やっぱり三吉先輩がいるし…。
でもその三吉先輩、顔も不細工ではないと思うし、性格もいい方なのに、モテないのだ。
私が好きになった人は大抵モテているのだが…(メンクイだから)
理由はすぐに見つかった。
彼女が、出来たらしい。
でもその彼女ともう別れたのか。はええ…。
私も、私も…
頑張って、みよう、かな?
二話に続く。