BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 神様、それはあまりにも不公平です。 ( No.7 )
日時: 2012/05/04 16:02
名前: 夜藍 (ID: DZWfhZUD)

第三話。

僕の悲鳴を聞きつけた母さんは「なんだってー!?」という僕より大きな叫びをあげ、下でドッタンバッタンと完全に焦ってる様子が目に見える効果音を残しつつ僕の部屋に駆け上がってきた。
その階段のあがるスピードの速い事。モンスターでしかねえよ母さん。
ガチャリとドアノブを回し僕の目の前に現れた母さんに笑ってしまった。危機的状況に陥ってるというのに、だ。
なんで頭に鍋乗っけてんだ。そしてフライパン持ってんだ。そんな装備で大丈夫か?

母さんは先ほどの焦りと階段駆け上がりのせいか息を切らしている。
膝に手を置き、息を整えてるが…ちょっと待て、待つんだ母さん。

頭には鍋、左手にはフライパン、そして、右手には…





包丁。





ちょっと待てえええええええ!!!!
この不審者殺されるような事まだ何もしてねえ!殺しちゃダメ!
っつーかそんな事したら母さんも警察行きだよ!正当防衛どころの騒ぎじゃねえよ!
第一それ振り回したりしたら運悪かったら、僕に当たる!シャレになんない!

僕が一人であわあわしていると母さんは息が整ったのか、ゆっくり顔を上げた。
と、同時に母さんは目を丸くした後僕の頭をバシッと勢いよく叩く。
「痛っ!なんだよ!!」
「光、不審者なんて居ないじゃないの…!!アンタ私を騙したね?」
は?いるって!後ろにいる!
後ろを振り向いてみたがやはり男はそこに居る。なんでだ、角度の問題か?

「ったく、下着泥棒でもでたのかと思ってきてみれば…時間の無駄だったわ。」
ため息を吐きながら母さんは一階へ降りていく。

母さんに見えてない…だと?
どういう事なんだこれは。夢か?まだ夢を見てるのか?なら覚めてくれお願いだ。

「夢ではない、これは現実だ。」
「うわっ!」
いきなり不審者が起き上がりいきなり僕に喋りかけてきた。お前今自分が置かれてる状況わかってんのか。
「話をしよう。どうしてこうなったのかを__________」

唐突に、男は話を始める。

「私の名はフィリアー。見ての通り、神様だ。」