BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 神様、それはあまりにも不公平です。 ( No.81 )
日時: 2012/08/09 10:27
名前: 夜藍 (ID: eVWzcu6j)

第二十四話。

夏祭りっていうのは何歳になっても楽しめるものだと僕は思う。
小さい頃射的で一つも商品を当てられない事にむきになってその時の全財産を使い果たした記憶がある。
子供の全財産なんて知れてるが千円くらいだろうか。
とりあえず母さんにはこっぴどく叱られ、妹にはそれをずいぶんネタにされ、「口外されたくなかったらアイス買ってこい、金はやるから。」とパシリに使わされた。ムカつくどころか唖然とした。五歳で脅しって…こいつはこれからどうなっていくのかとお兄ちゃんは不安になったよ全く。

だがもう僕も高校生な訳だし、下手に騒いだりはしゃいだりしない。
ましてや射的で全財産使うなんて、そんなバカいるわけな…
「おじさん!もう一回!!」

………

……

いたあああああああああ!!!!

「フィリアー!!おまっ…ちょ…何してんだよ。」
名前を呼ぶときだけ大声になってしまったが周りの目に気づきキョロキョロとそこらを見まわした後小声で耳打ちする。
するとフィリアーは、はて?といった様子で首を傾げながら口を開いた。
「ただ射的が当たらないからムシャクシャしてやった。」
「ムシャクシャしてやったじゃねえよ!あと残りのお金いくら?」
「…百円。」
「アホ!!!」


とりあえず、バカはここにいる。
僕がお金を持っていないフィリアーに千円あげたのに、こんな事に使われるとは…
あの時の母さんの気持ち、よく分かったよ。喪失感しかねえ。