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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: magnet【9/17更新しました!】 ( No.11 )
- 日時: 2013/11/10 12:52
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
それから私達はそれぞれ家に帰った。
———ガチャ
「ただいまー」
誰もいない真っ暗な部屋に一人で呟く。
「っ……っ…くっ…」
えっ!?
だけどキッチンからは女の人の鳴き声が聞こえてきた。
な、何…!?
思わず体が震える。
だって私しかここの家の鍵持ってないんだよ?
なら一体誰が——
もしかして幽霊…?
私は恐る恐るキッチンに向かうと思いきってドアを開けた。
すると其処にはお姉ちゃんがいた。
「え?」
思わず目が点になる。
なんていったって以前とは大分変ったお姉ちゃんがいたからだ。
メイクも何もしていない。
それに髪の毛は物凄くベリーショートになっている。
「ど、どしたの?」
泣いているお姉ちゃんを見て私は言った。
「それが泣いている姉に対す態度?」
「へっ?」
するといきなりお姉ちゃんは私に抱きついてきた。
「ふぁっ!?」
「雫ぅぅぅーーー!!」
私の服が鼻水塗れになる。
お姉ちゃんが泣いている理由は分かっていた。
きっとお母さんに女の子が好きな事がバレ、問い詰められて泣きここ現在に至るのだろう。
だけどお姉ちゃんが可哀そうだよ。
そんなに女が女を好きになるのは駄目な事なの?
現時点、私もそうなのに…
「雫…?」
お姉ちゃんは鼻水を垂らしながら上目遣い私を見ると首を傾げた。
「何…」
「いや、急に黙り込んだからさ…」
「えっ、そうだっけ?」
「うん。なんかあったの?」
「ううん、別に…」
「実は私も女の子が好きなの」なんて言えるはずもなくその日はお姉ちゃんの話を聞いて夜が明けた。
お姉ちゃんの話によると公園で恋人(彼女)と手を繋いでいる所を見られ、女の子が好きな事がバレ一日中問い詰められていたらしい。
私もいつかそうなるのかなぁ。
そんな不安を抱えながら私はお姉ちゃんと一緒に朝を迎えた。
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