BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: magnet【10/4更新】 ( No.13 )
- 日時: 2013/10/27 17:46
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
「はぁー…」
私は小さく溜息をついた。
「とにかくするよ。」
「うーん…なら了解。」
「よしっ!じゃあ始めよう!」
こうして私達は特訓を始めた。
まずは声出し。
「私のを見ててね。」
「おう。」
私はそこに人がいるかのように接客を始めた。
「いらっしゃいませ!!」
そして満面の笑みで迎える。
「どうかな?」
「うん。まぁお前にしてはいいんじゃね?」
「何よそれ。」
「嘘だって。じゃあ俺もやってみる。」
宮田は私の真似をした。
「いらっしゃいませ…」
しかし声が出てない。
まるで幽霊とでも会話しているようだ。
「小さい。」
「ん?」
「声が小さい!」
宮田はビクッとするともう一度した。
「いらっしゃいませ!」
今度はさっきよりはマシだった。
「うん。いいかも!」
「サンキュー…?」
「何で『?』?」なんて聞きたくなったけど宮田が少しでも良くなっている事に気付き私は嬉しくなっていた。
———午後7時
もうこんな時間かぁー
時計を見ると針は7時を指していた。
それにしても早かったぁ。
チラッと宮田を見ると宮田の顔は明らかに疲れていた。
なんか悪いことしちゃったかな…?
急な罪悪感に何故か襲われる。
「宮田…」
「?」
「なんか今日はごめんね。」
「………」
宮田は急に黙った。
やっぱり怒ってる…?
「何で謝まんの?」
「え…?だってそれは私が無理やり「無理やりじゃねーよ。」
「違うの?」
「う、うん…まぁ『違う』って言ったら嘘になるかもしれねぇけどいい勉強になったし。俺は迷惑だとも何とも思ってねぇ。」
良かった…
もうそろそろ帰ろう。
「じゃあ今日はもう遅いから帰るね。じゃあねっ」
立ち去ろうとしようとすると宮田は私を止めた。
宮田…?
「送るよ。」
「送る」って大丈夫なのに…
「いいって…!」
勢いよく首を横に振る。
「駄目だ。送るから。」
「え…いいの?」
「ああ。て言うか俺がそうしたいから。」
「ならお願いしますっ…」
———カランカラン
私達はお店を出ると家に向かった。