BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: magne 【GL】 ( No.3 )
日時: 2013/11/10 12:50
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

———キーンコーンカーンコーン


朝のチャイムが鳴る。

私はいつも通りじゃない教室に気がついていた。

そっと使い慣れた椅子に座るとまたいつもどおりに椅子が「ギィー」と音を立てた。

それを聞いていた宮田は私をからかった。


「お前、またかよっ!?」

「何よ?しょうがないでしょ。」


———ガラッ


みんなは一斉にドアの方向に視線を向ける。


「……」


みんなは言葉を失う。私もその中の1人だ。

真黒なストレートの髪に切れ長のどこか冷めた目。
細い体。赤い唇。


「椿成実さんだ。仲良くするように。」


先生が名前を紹介すると席に案内をした。

クラスの姫様存在の亜里抄が椿さんに声をかけた。


「よろしくねっ!成実さん。」

「……」


彼女は無言だった。

私もクラスの皆も驚いた。
なぜなら亜里抄は皆の立場からでは逆らえない存在だからだ。


「チッ」


亜里抄が小さく舌打ちをしたのを私は聞き逃さなかった。

昼休みのチャイムが鳴ると女子は亜里抄のところに向かい機嫌取りをしていた。

私は別だけど…
亜里抄の機嫌取りをするぐらいなら死んだほうがましだろう。


「桐谷ー!椿に学校案内してくれ。」


クラス委員になった私は先生に頼まれた。
だけど私からクラス委員になったわけではない。


「椿さん、行こっか!」


私が声をかけるとやはり椿さんは無言だった。

気難しいなぁ…

何となくそういうことを思っているといつの間にか紹介を終えていた。


「ニャー」


そこには目を失った猫がいた。
私は猫の声を真似してみた。

するとこちらに近づいて体を擦り付けてくる。
きっと私の事を仲間だと思ったのだろう。

私は猫の背を撫でるとしばらくそこに居た。
すると猫は急に走り出した。


「まってー!」


私は追いかけてみるとそこには猫に囲まれた椿さんがいた。

音を立ててしまった私は椿さんに気づかれてしまった。
椿さんは私は見ると立ち去ろうとした。


「ねぇ!椿さん猫一緒に育てようよ!」


勢いを出して私は大声を出した。
だけど椿さんは歩き出す。


「椿さん!」


私はガッカリしているといきなり頭の上に何かが乗った。


「ダンボール…?」


そこにはダンボールを私の頭にのせた椿さんがいた。


「椿さん…?」

「育てるんでしょ。」


椿さんはそう言って少し笑うと私に背を向けた。

この瞬間私に何かが変わっていくのを私は感じた。