BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: magnet 【GL】 ( No.5 )
- 日時: 2013/11/10 12:51
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
今日は少し急ぎ足で学校に行った。
皆ははいつも通りに賑わっている。
しかし椿さんは1人で本を読んでいた。
「椿さん、おはよう!」
「…」
あれ、また無言…
今日楽しみにしてたんだけどなぁー…
そんなことを思いながら自分の席に着くと私は猫の餌を机の上に置いた。
「お前それ食べんの?」
宮田が私をまたからかう。
そんな宮田に構ってしまうのも私だ。
「ちがう。これは猫にあげるの。」
「ふーん。」
宮田はそういうと友達のところへ行った。
なんだか少し寂しい。
なぜかこんな姿を椿さんに見られるのは嫌だと思った。
そんな私は少し変なのかもしれない。
私は昔から女の子としゃべるのが緊張して友達ができなかった。
だけど———
「椿さん、一緒にトイレ行こう!」
亜里抄が機嫌よく椿さんに声を掛けていた。
なぜか私の胸がもやもやする。
「ねぇ、行くでしょ!?」
椿さんは亜里抄とその仲間たちに連れられて行ってしまった。
少し気になった私はあとをつけた。
———ガシャーン!
「っ………」
私は思わず驚いた。
そっとトイレの中を除くと水を亜里抄達からかけられていた椿さんがいた。
どうしよう…
心は「行って」って言っているのに体は怖くて動いてくれない。
私はトイレから亜里抄が出て行くのを確認すると椿さんのところに駆け寄った。
「椿さん!」
椿さんは無表情のままだ。
こんなに寒い冬なのに…
「ごめんなさいっ…私ずっと見てたのに助けられなくて…」
私は思わず涙を零してしまう。
「どうして…」
え…
椿さんの声が聞こえる。
「あなたは何も悪くないでしょう。」
私は椿さんの手を握った。
「冷たいね。暖かくしてあげるね。」
私は涙ぬぐって少しだけ笑った。
———フワッ
「こっちのほうが暖かいと思わない?」
椿さんは私の体を抱きしめた。
私は思わず動揺してしまう。
「つ、椿さん!?」
私は顔を手で隠した。
すると椿さんは私の顔を覗き込む。
「見ないで…!私、多分顔ものすごく赤いから!私変なの。椿さんといると胸が苦しくなる。」
「フフっ」
椿さんは私の手を握り、顔をじっと見つめた。
「それって告白?」
「え…!?あの…それは…」
私の唇に熱いものが触れる。
その瞬間今までの寒さは一気になくなった。
「私も同じよ。」
椿さんは私の手を自分の胸に当てた。
「聞こえる?心臓の音。」
「うん。聞こえるよ。」
こうして私達は罰と知っていながら進んでいった。