BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: magnet 【GL】 ( No.6 )
日時: 2013/11/10 12:51
名前: ミム (ID: MbtYH2rf)

家に帰るとお母さんから留守電が入ってきていた。


「雫、お姉ちゃん知らない!?さっきお姉ちゃんが『私女の子好きなの』とか言い出してね、お母さんが『そんなの変』って言ったら飛び出しちゃって…
また見つけたら言ってよね!あっ雫はそんな風にならないでよ!』


お姉ちゃん…

私はあまり驚かなかった。

知ってた。
お姉ちゃんが女の子好きなことぐらい。


「フッ」


私は少しだけ笑みがこぼれてしまった。
だけどその瞬間ほほには涙が伝っていた。

どうして普通の恋ができないのだろう。
男の子に恋をして告白したりされたりして手をつないで抱き合ってキスをして———
何でそんな当たり前のことが出来ないの…?

次の日の朝少し緊張気味にクラスに入ると皆は視線を私に向けた。


「えっ…」


もしかして昨日のことバレたのかな…

私は少し俯いた。

するとクラスの皆はいきなり宮田を私の前に連れ出した。


「俺、お前のこと好きなんだけど…」


宮田が私に言ったと気付いたのは3秒後だった。


「え…?」


皆は手を叩いている。

そう言えば椿さんはっ!?

私はクラスを360度見回したがそこには居なかった。

するとある男子が私に言った。

「お、前男子に告白されて赤くならないとかおかしくね?もしかして女子が好きだったりして…」

「そんなわけないでしょ!」


私は思わずそう言ってしまった。

知ってたから。
女の子好きなんておかしいって。


———ガラッ


視線をドアに向けるとそこには椿さんがいた。
椿さんは何もないような顔をしていたけれどきっと聞こえていたんだと思う。

放課後私は宮田に花壇に来てほしいと言われていた。


「で…お前の気持ちは?」

「私は———」


椿さんが頭の中に過ぎる。

椿さん…


「もしかしてお前本当に女が好きなのか?」

「私、本当はつば「雫ーーー!」

「えっ!?」


視線を向けてみるとそこには椿さんが居た。


「雫、一緒に帰ろう!」

「うん…!!」


思わず返事をしてしまった。

だって椿さんが私の事を下の名前で呼んだから———


「じゃ、じゃーね…宮田!」


ぎこちなく宮田に言うと私は急いで椿さんの方に走って行った。


「あいつもしかして本当に———」


そんな事を呟いた宮田の声が私の耳に届く事は無かった。