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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: magnet ( No.9 )
- 日時: 2013/11/10 12:52
- 名前: ミム (ID: MbtYH2rf)
「椿さん!」
私は嬉しさのあまり思わず大声で名前を呼んでしまった。
だって嬉しかったんだもん…
だけど椿さんは振り向かない。
もしかして怒ってるのかな…?
私が花壇なんかに行ったから…
「もうっ!」
「ふぇ!?」
椿さんはいきなり私の頬を摘むとビロビロ伸ばした。
「にゃ、にゃに!?(な、何!?)」
思わず目をパチパチさせた。
すると椿さんは私の頬を離すと頬を膨らませた。
「どうしたの…?」
私は心配になる。
「何で…」
「え…」
そっか、花壇に行った事を怒ってるんだね。
だけど私は———
「ごめん、椿さん…!だけど私、椿さんの事が本当に好きだから!こ、これだけは信じて…」
言った後にどれだけ恥ずかしいセリフを言っているのか気づくと急に顔が赤くなった。
だけどこれが本当の気持ちなの…
椿さん…
椿さんは私をケロッとした顔で見ると「クスッ」っと笑った。
「ありがとう。だけど私はそんな事で怒ってるんじゃないの。」
「へ?違うの?」
「うん」
「じゃあ何?」
何故かホッとすると椿さんは急に私の名前を呼んだ。
「雫」
———ドキッ
胸が跳ねるのが分かった。
どうして椿さんは私の心をいとも簡単に操れるんだろう。
そう思っている自分が居た。
「私の事、名前で呼んで…」
「え…」
「嫌なの…?」
「ううん、嫌じゃないよ!」
思わず全力で否定をするとそれを見た椿さんはまた笑った。
私は椿さんが笑ってくれるととても嬉しい。
「なら呼んで…」
甘い声が夕焼けに響いた。
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