BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 黒子のバスケ BL小説やっちゃいます☆ 【短編集】 ( No.536 )
- 日時: 2013/03/27 13:25
- 名前: 流れ星 (ID: nH0S84tQ)
【月日】
「っにすんだよ。日向を、日向を追わなきゃッ……」
「俊さん、待ってください!置いていかないで……」
ナミエは、必死に伊月にすがり付く。
「離れてくれないかな?」
伊月も必死にナミエを怪我させないように、引き離そうと試みる。
「そんなにッ…そんなにッ……あのご友人が大切ですか?」
あぁ、大切だ。友人じゃない。大切な恋人だ。—————そう言いたかった。だけど、言ったらどうなる?同性愛など日本ではバカにされるだけだ。
伊月は唇を噛みしめ抵抗するのを止めた。
******
「ッ……」
日向は体育館から全力疾走してきた。学校から十分に距離を取った所で、足を止め近くの公園に入った。
泣きたくはない。だけれども、無性に涙が込み上げてくる。
理由は分かりきっている。単なる自分の嫉妬だ。伊月を信じられない自分にも涙が込み上げてくる。
すると、不意に日向を呼ぶ声が聞こえた。だが、伊月のものではない。
「日向さーん!!待ってください!」
ナオトだった。日向に気付いたナオトはハァハァと、息を切らしながらも微笑み「ちょっと待っててください」と言って何処かに行ってしまった。
一分位して、日向の手にある物が触れた。ビックリして見てみると、コーンポタージュの文字。
「嫌いだったらすみません。……でもそんな顔しないで下さい。こっちまで悲しくなるじゃないですか。」
一体どんな顔だ。と思ったが、大体予想がついたので黙ったままだ。
「……」
「……」
短い沈黙が過ぎたが、沈黙を破ったのはナオトだった。
「飲んで下さい。寒い時は暖まりますよ。」
「サンキュ」
そこから他愛ない会話を交わす。日向の涙はいつの間にか引いていた。
この空間が心地好かった。そのせいか、日向に笑顔が戻った。それを見てナオトもまた、笑った。
何時間か話をしたあと、お開きとなり、各自家に帰ろうと準備した。
そして、「じゃあな。また明日」と日向が手をふった。
「日向さん!」
くるりと振り向くと、ナオトは顔を赤く染め意を決したように言った。
「日向さん。好きです。」
ビックリする日向。だがナオトは返事はまた今度でも良いと言ってくれたので、本当にお開きとなった。
続く
冬と言う設定(笑