BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

レモンのど飴様へ ( No.20 )
日時: 2013/04/30 22:01
名前: マリ ◆pTJVFJNEto (ID: Da2si9iJ)
プロフ: ほのぼの(!?)黄黒



 帝光中でやっと俺はスタメンをとれて、凄く嬉しくて嬉しくて堪らなかった。だから帰り道に黒子っちが言ってくれた「おめでとう」が、自棄に輝いて聞こえたんスね。


//  かえりみち



「黄瀬君、スタメン昇格おめでとうございます」
「それは!黒子っちの熱心な教育のおかげだって言ってるじゃないっスかあ〜」
「だから僕はバスケ教えてませんよ。黄瀬君自身の実力です」

 黒子っちは近くの自販機で熱々のココアを買ってきて、俺に「どうぞ」って無愛想に渡した。どうやらプレゼントらしい。ポーカーフェイスなのは変わってないけれど。
 ついさっき、部活の最後にあるミーティングで赤司っちから告げられた明日の試合のスターティングメンバー。そこで呼ばれたのは他でもない、この俺だった。

 ひとくちココアを飲んで、冷静に脳を働かせる。あれ、どうしてかな。俺なんか… 黒子っちと遠くなったみたいに距離がある。まるで別世界にいるみたいな、見えない壁。どうしてだろう?景色はまったく変わってないのに。

「まあでもこれで、僕も黄瀬君の教育係は終わりですね。割りと楽しかったです」

「え…?おわりって、」

 声が空回る。ぐるぐると目眩がして、心拍数が急にはねあがった。黒子っちが俺の隣にいるのが「あたりまえ」だった。でも俺が一歩前に踏み出したから、もうその関係は崩れちゃって。



もう、いっしょじゃないんスか?


 あはは、俺ってバカだな。さっきまであんなに嬉しかったのに。君のこと考えたらちっとも嬉しくないや。

「黒子っち」
「なんですか?」

 若干震えた声で黒子っちに尋ねる。

「教育係やめても、俺のそばにいてくれるんスか…?」

 黒子っちの答えが早くききたくて、でも怖くてききたくない。そんな不安に駆られて、やっぱ俺バカだなあって思って呆れて。どうしようもないから黒子っちを見つめてみる。

 黒子っちは平然とした顔で

「あたりまえじゃないですか」


 と、半分呆れ気味に言った。


ーーー数ヵ月後ーーーーーーーーーーー

「って、あの時そういったじゃないっスか黒子っち!なんで無視するっスかあ」
「黄瀬君ちょっと……ウザイです」

「ひっどぉ!!  

     なぁーんてね」

 思わず溢れる笑顔をどうしようもできないまま、俺はもう一度自分に言ってみた。

 黒子っちは、ここにいるよ。

   ってね。


◆end


意味がワカラナくなってしまいました
ごめんなさい!!