BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re:    瓦解するアリスブルー 【BL】 ( No.18 )
日時: 2013/03/30 17:09
名前: り@ ◆N4FULXO5wE (ID: YohzdPX5)
プロフ: [マギ](シンジャ)

知りはじめた頃に書いたやつなので、、いろいろと知識がひどい……(笑)




薄暗い部屋。
既に隣にいない恋人は、向こうの書斎机でなにか書き物をしているようだった。
うつらうつらとしたまどろみから覚醒しはじめたシンドバッドは、うーん、と背伸びをした。

暑い。
朝とはいえ、この地のこの季節、既に気温は汗ばむほど。
シンドバッドは額に張り付いた前髪をかきあげて、夜の次の朝の気だるい身体を起こした。

「なぁ、ジャーファル」
「……あぁ、おはようごさいます」

気づいた彼が肩越しに振り向く。
いつもは緑の装束で見えない白髪がさらりと揺れた。

「ん、おはよ」
「それでなにか?」
「……あー、なんでもない」

あいしてる。

言いかけて、やめた。

シンドバッドは立ち上がった。
やはりどうにも薄暗い。
カーテンに手をかける。

あぁ、今日も暑くなりそうだ。



「ちょ、待………っ、」

遅れて響いた静止の声はシンドバッドに届くには遅すぎた。






「ーーーーーーーっ、」

溢れんばかりの日光。
薄暗かった室内に、突然に、容赦なく流れ込む真夏の朝の東日。

その後で、言葉の意味を理解したシンドバッドは、声の方向、後ろを振り返って、自分を静止しようと立ち上がって、そのまましゃがみこんでしまったジャーファルが視界に入る。
手で隠された顔。

「……おい、ジャーファル?!」
「っ、ーーー、カーテン! 閉めて下さい!!」

そう半ば金切り声で叫ばれて、シンドバッドは言われた通りカーテンを閉めるなり彼のに駆け寄らずにはいられなかった。

「どうした?! ジャーファル!!」

「シン……」

少しだけ顔を上げたジャーファルの色素の薄い瞳が涙に溺れていて、シンドバッドはさらに何事かとどぎまぎする。

「どうした、どこか痛いのか……?」

「痛いです、よ、まったく……」

顔を覗き込むと、ジャーファルはぱちぱちと何度か瞬きをしたあと、潤んだ目を手の甲でぐいと、拭った。

「目が……、」


「は?!」

唖然とするシンドバッドに、ジャーファルは僅かに恥ずかしそうに目線を下げる。

「……や、あんまり…、日の光は好きじゃなくて」
「あー、」

好きじゃない。
それは、つまり苦手ということ。
確かに、ジャーファルのそれは、白髪、白磁のはだにそばかす、それからいつも頭からかけている民族衣装。
シンドバッドは、彼のなにも纏っていないそれに、あぁ、と納得した。
そういう詮索はなしかと思っていたが、案外実用性重視だったのかもしれない。

「悪かった。考えなしだったな」

そう頭を撫でると、いえ……、と迷惑そうにその手を剥がされた。
まぁいつものことなのだが。
シンドバッドはつれないな、とぶすくれた。

「でもお前、いつもカーテンあけてないの?」
「ーーまぁ、あなたがいらっしゃる時以外は」
「、もしかして無理してたのか」

まっすぐなその表情がとても大袈裟に見えて、ジャーファルはつい、くすと笑った。


「あなたが私の部屋にいらっしゃるときは、お日さまはめったに出ていませんけれど(笑」



シンドバッドはきょとんとした。
それからにっこり笑う。

それから今度こそ、


「あいしてる」

愛しいひとに、そうキスをした。



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書いたあとに知りました。
そもそもジャーファルさん目まっくろですね!!
この話成り立ちません(笑)
シンドバッドさんのほうが、目は色素薄いみたいですね、