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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 瓦解するアリスブルー 【BL】 ( No.2 )
- 日時: 2013/03/30 01:50
- 名前: り@ ◆N4FULXO5wE (ID: YohzdPX5)
キスまで。
「お前さー、そんな酔ってないだろ」
「んー?」
ぴちゃ。指と、彼の舌との間で水音が立つ。
動かそうとすれば、それを阻むように噛まれる。まるで犬の甘噛みだ。ちょうど犬にするように首筋の後ろをくすぐってやると、彼はくすくすと笑い声を漏らした。
ふと、一瞬見上げられて、その視線はすぐに逸らされた。
「あのね、そういうことは、言わないの」
「え、」
「お医者さまなら、でりかしー欠乏症くらい知ってるでしょ」
いや、耳にしたこともありませんが。
「……やっぱ酔ってる?」
「そーそー。今のはデリカシーのある発言です」
なんだかすごく馬鹿にされた気がする。
俺はここ最近の気に入りのカクテルをくっとあおった。
彼の前にあるのも同じ物だ。
そんなの、二三杯飲んだところで彼はここまで酔わない。
少しだけほわんとする頭でぼんやりと考えていると、ふと指が解放されて、なんだ、と思ううちにキスされた。
口に含まれたそれをねだるように寄り添う(ーーーどっちが本命かは知らないが)、柔らかで甘い唇。
仕方ないな。
その液体を渡して、それごと彼をを味わった。
酒の、せいだろうか。
今日の彼は、ずいぶんと甘い味がした。
(もし僕が、素直に君に甘えることが出来たなら)
(お酒の力なんていらないのにね)
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