BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 魔法少女まどか☆なのは,新しい小説7月16日投下 ( No.38 )
- 日時: 2015/08/30 14:20
- 名前: 千早 (ID: 1qIY/8jn)
「おはよう、ヴィータ。」
「ぅん…おはよう…はやて…。」
あたしは、目をこすりながら返事を返すとしばらくしてからリビングを見渡した。
「マミは、どうしたんだ?」
「マミちゃんは、もう学校に行ったで。」
「マミがいないなら丁度いいや。なあ、はやては、マミの事が好きなのか?」
「もちろんマミちゃんの事は好きやで。」
「あたしが言ってる好きは、友達としての好きじゃなくて、恋人にしたいくらい好きかって事だよ。」
「さあ〜〜どないやろうな。」
「はやて、あたしに誤魔化しは、きかないからな。
あたしは、ずっとはやてを見ていたんだぞ。はやての好きな奴の事くらい解るよ。」
「ヴィータには、かなわへんな…。」
はやては、苦笑いを浮かべた。
「何で告白しないんだよ、はやて。」
「さあ、何でだろうな。何となく告白する気にはなれへんのや。」
「…それも嘘だろう。はやては、あたし達に遠慮して告白できないんだろ。
あたし達は、はやてと一緒ならこの世界で過ごしても良いんだぞ。
あたし達は、家族なんだぞ。家族に遠慮するなよ!」
「ヴィータ…。」
あたしは、真剣な表情ではやてを叱りつけた。
はやては、しばらく驚いて目をぱちぱちするけれども、すぐに落ち着きを取り戻して優しく微笑んだ
「ヴィータにここまで思われて、私は、幸せ者やな…ありがとうな、ヴィータ。」
はやては、優しくあたしの頭を撫でた。
「だったらはやては、マミに告白するんだよな。」
「それとこれとは、話は別や。私がマミちゃんに告白する事はできへんよ。」
「何でだよ、はやて!」
「確かに、ヴィータが言った理由もあるけれどもそれだけじゃないんよ。
私は、自分自身が幸せになるのが許せないんよ。」
「それって闇の書の事か?
それだったらあたし達が勝手にした事だから、はやてが気にする事はないじゃないかよ。」
「でも私がさせたようなものや。だからヴィータが気にする必要は、ないんやで。」
「そんなの気にするに決まってるだろ!あたし達ははやてに幸せになってほしいんだよ。」
「ヴィータは、ほんまに優しいな。ありがとうな、ヴィータ。」
はやては、あたしに抱き着いて、あたしの頬とはやての頬をくっつけてきてをすりすりしてきた。
「あ〜〜もう、はやて、いきなり何するんだよ!」
「今は、ヴィータに抱き着きたい気分なんや。」
「は〜〜〜、訳が解らねえよ、はやて。」
はやては、あたしを十分くらい抱きしめると離してくれた。
でも結局はやては、あたしの言う事を聞いてくれる様子ではなかった。
だからマミに、はやての事を頼む事にした。
あたしは、中学校の校門でマミがでてくるのを待った。
学校からマミが出てきたのでマミに近づくとマミがこちらの方を向くとマミもこちらに近づいてきた。
「あら、ヴィータさんじゃない、こんな所でどうしたの?」
「マミ、あんたに話があるんだよ。」
「私に?それなら家で話してくれたら良かったのに。」
「その…はやてに話を聞かれたくないだよ。」
「…込み入った話みたいね。
そうね…なら近くに公園があったはずだからそこで話を聞くわ。それでいいわよね。」
「ああ、それで構わないぞ。」
あたしは、マミに連れられて学校の公園に向かった。
「それで話って何かしら?」
「その前にマミに聞きたい事あるんだよ。マミは、はやての事をどう思ってるんだ?」
「それってどういう意味かしら?」
「それは、はやての事を恋人にしたいくらい好きかって事だよ。」
「…この話と今からする話と関係があるのかしら?」
「ああ、大ありだよ。マミは、はやての事が好きなんだろ。
あたしから見てまる解りだからよ。」
「そう…ヴィータさんは、私の気持ちに気づいてたのね。
それでヴィータさんは、私にはやてさんの事を諦めろって言いたいのかしら?
大丈夫よ。私は、はやてさんに思いをうちあける事はないわ。」
「違うよ。はやてと付き合って欲しいんだ。
はやてのやつ、今まで苦労して、傷ついて、自分の気持ちを押し殺して、あたしは、そんなはやてを見ている事しかできなくて…。」
「ヴィータさん…。」
あたしは辛そうに俯いた。
「でもはやてにやっと好きな奴が出来たのに、自分の気持ちを押し殺して、幸せになろうとは、しないんだよ…。
だからマミに、はやてを幸せにしてほしいんだよ。あたしでは、駄目だったから…。」
「ヴィータさんの言いたい事は、解ったわ。
でもヴィータさんでもできなかった事を私に、できるかしら?」
「大丈夫だよ。マミは、はやてが初めて恋愛感情を持った相手なんだからさ。悔しいけれど…。」
あたしは、悔しそうに、自分の拳を握りしめた。
「その…ヴィータさんの気持ちに答えられるか解らないわ。
でも私がはやてさんの事が好きな気持ちは、本物ですもの。
だからはやてさんに気持ちを伝えてみるわ。」
「マミ、はやての事を頼むな…。」
あたしは、涙を流して俯いた。
「ええ。はやてさんの事は、任せて、ヴィータさん。」
マミは、あたしの頭を優しく撫でてくれた。
あたしの頭を撫でてくれたマミの手がはやての手のように暖かった。
あたしにはやてを幸せにする事は出来ない。
だからせめてはやてが幸せになる事を応援しようと思う。
今のあたしには、それしかできないから…。
〜つづく〜