BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 作品集7月13日ミカグラ学園組曲投稿 ( No.153 )
日時: 2018/05/02 09:54
名前: 千早 (ID: kXe4flYM)

D.C(ダ・カーポ)の芳乃さくらの視線から見た作品です
この芳乃 さくらは、小学3年生です

〜桜舞う季節〜
〜小学生編〜
〜第1話〜

ボクには昔から居場所がなかった。
外国にいた時は日本人とのハーフのせいか他の人と距離を感じていた。
だからそれから逃げるようにボクはおばあちゃんの住んでいる初音島にやって来た。
でもココでもおばあちゃんのことや自分のことでボクは、虐められた。
ボクの事はともかく大好きなおばあちゃんの事を悪く言う人は許せなかった
だからそんな人といつも喧嘩した。
でも女の子のボクは男の子に勝てるはずがなかった。
それでいつも負けて泣かされていた。

「聞いたよ、また男の子と喧嘩したんじゃってね。
男の子と喧嘩したら駄目じゃよ。
さくらは、女の子じゃからさ」

縁側に座っているおばあちゃんの膝の上にさくらが座っていた。
おばあちゃんは、さくらを抱きしめながらさくらに注意した。

「だっておばあちゃんの事を悪くいうんだよ。
それがどうしても許せなかったんだもん……」

さくらは、ほっぺたを膨らませておばあちゃんを見上げながら不満を伝えた。

「そんな餓鬼の戯言なんか言われてもわたしゃ、気にせんよ」

おばあちゃんは、そう言うと顔をしわくちゃにして微笑んでボクの頭を撫でてくれた。
ボクはお婆ちゃんのしわくちゃに微笑んだ顔と撫でられるのがとても好きだった。

「おやっ、いつもの子が来たみたいじゃね」

おばあちゃんは、誰かに気付いたように庭の外を向いた。

「えっ……?」

さくらは、おばあちゃんが向いた庭の外の柵の方を向くと知らない小学3年生くらいの男の子が立っていた。

「そいつは、誰……?」

男の子は、ぶっきらぼうに離すとさくらを少しだけ睨むように見つめた。

「この子はね、あたしの孫ちゃよ。
ほら、いつも面倒を見ている音夢ちゃんの妹みたいに仲良くしてくれぬかね?」

おばあちゃんは、さくらの頭を優しく触りさくらのことを男の子にお願いした。

「あんなの妹じゃないやい!!」

男の子は、自分の両手を握りしめて怒ったように大声を出した。

「お婆ちゃん……怖い……よ…………」

ボクは、男の子の怒った姿がとても怖くてお婆ちゃんの後ろに隠れた。

「まったくなんだよ……」

男の子は、さくらの怖がった様子を罰悪そうに地面を蹴った。

「まったくしかたがないね。
あたしゃ知らないよ。
後は、二人でどうにかおし」

お婆ちゃんは、仕方がなさそうにため息を吐くと目を瞑って眠ってしまった。

「そんな……おばあちゃん、ボクを見捨てないでよ……」

ボクは、その子の事がとても怖くて泣きそうな目で涙をうるわせようとした。

「は〜〜……そんなに怖がるなよ……」

男の子は、面倒くさそうに自分の頭をかきながらさくらに近づいた。

「ボクを虐めない……?」

さくらは、涙で目をうるわせながらおばあちゃんの後ろから男の子を見つめた。

「お前は、虐められているのか?」

男の子は、驚いたようにキョトンと首を傾げた。

「う、うん……」

さくらは、小さく頷いて小声で返事をした。
もう、嫌だ……家でも苛められるなんて……
ボクは悲しくて泣き出しそうになった。

「あ〜〜うざい!
もう泣くなよ!!」

男の子は、右手をさくらの前に出すと手を握りしめてから手を開くと手のひらの上に饅頭が出てきた。

「あっ、お婆ちゃんと同じだ……」

さくらは、驚いたように男の子が出した饅頭を見つめた。

「なんだ、つまんねえの、知っていたのかよ……」

男の子は、つまんなそうに呟くと饅頭をさくらの方に向けた。

「ほら、え、えっと……お、お近づきの印だ」

男の子は、たどたどしく話すとにっこりと笑った。

「わ〜〜饅頭をありがとう〜〜」

さくらは、男の子から饅頭を受け取ると嬉しくてつい笑顔になった。

「なんだ、笑った顔の方が可愛いじゃないかよ……」

男の子は、さくらの笑顔を見て恥ずかしそうに顔が赤くなりました。
でもなぜ顔が赤くなったのだろう?
ボクは、不思議そうに首を傾げた。

「そう言えば自己紹介がまだったな。
俺の名前は、朝倉純一だ」

純一お兄ちゃんは、すがすがしいほどにかりと笑った。

「純一お兄ちゃん……」

ボクは小声で純一お兄ちゃんの名前を囁いた。

「ボクの名前は、芳乃……芳乃さくら………」

さくらは、恥ずかしそうに顔を赤らめてたどたどししく自分の名前を紹介した。

「さくらってさくらんぼうみたいだな……
そうだ、これからは、さくらの事をさくらんぼうと言うな!」

純一は、さくらの名前を聞いて考え込むと思いついたようにさくらのことをさくらんぼう言う発言をした。

「なっ、さくらんぼう!?」

お兄ちゃんのネーミングセンスに驚いて大声を叫んだ。
でもさくらんぼうなんてあんまりだよ〜〜

「よろしくな、さくらんぼう」

お兄ちゃんは、ボクの頭を優しく撫でてくれた
お兄ちゃんに撫でられた感触は、乱暴だったけどボクは不思議と嫌でなかった。

「うん、よろしくね、お兄ちゃん」

さくらは、純一お兄ちゃんににっこりと笑いかけた。

「さくらんぼう、遊びに行くか?」

純一は、立ち上がるとさくらの方を向いた。

「えっ、ボクと遊んでくれるの……?」

さくらは、驚いて立ち上がった純一を見つめた。

「ばあちゃんに頼まれたしな……
まぁ、かったるいけどさ……
だから特別に秘密基地に案内してやるよ」

お兄ちゃんは、ボクに向かって手を差し出してにかりと笑った。

「うん、ありがとう、お兄ちゃん」

ボクは、お兄ちゃんの差し出され手を握りしめてお兄ちゃんの笑顔につられてにっこりと笑った。
お兄ちゃんと手を繋いだ手があたたくてボクはドキドキした。
ボクは、お兄ちゃんと一緒に家を出るとお兄ちゃんの秘密の場所に走って向かった。

「さくらんぼう、着いたぞ」

お兄ちゃんが大きな桜の木の前でボクの方を振り返った。

「うわ〜〜〜、凄く大きな桜の木だね」

ボクは、桜の木もそうだけれども場所にも感動して目をきらきらさせながら桜の木を見上げた。

「ココは、俺のお気に入りの場所なんだぞ。
俺とさくらんぼうの二人だけの秘密だ。
他の奴には、絶対教えるなよ」

お兄ちゃんは、ボクと手を握りしめたままボクの方を向いてにかりと笑った。

「うん、わかった、ボクとお兄ちゃんの秘密だよね」

ボクは、お兄ちゃんの笑顔につられてにっこりと笑った。

「ああ、そうだ、二人だけの秘密だ」

純一君とボクの二人だけの秘密……
えへへ〜〜お兄ちゃんとボクは、特別みたいで嬉しいな。
それから遅くなるまで遊んだせいで家に帰るのは、太陽がすっかり落ちていた。
次の日学校で意地悪されると思うと辛かった。
次の日、昼休みにボクの教室に純一君が来てくれた。

「よ〜〜さっそく遊ぼうぜ、さくらんぼう」

お兄ちゃんは、教室に入ると大声でボクの名前を呼んで右手を振りながらボクに近づいた。

「お、お兄ちゃん、ど、どうしてここにいるの!?」

ボクは、驚いて立ち上がるとお兄ちゃんを見つめた。

「どうしてってさくらんぼうと遊ぶためだよ。
一応お婆ちゃんにも頼まれたからな」

お兄ちゃんは、気にしないようににかりと笑いボクの机の前に近づいた。

「で、でも……」

ボクは、不安そうに軽く周りを見渡した。
ボクと仲良くしたらお兄ちゃんも虐めれるんじゃないかと思ったからです……

「なんだよ、さくらんぼうは、俺と遊ぶのが嫌なのか?」

お兄ちゃんは、不機嫌そうにボクを睨んだ。

「うんん、嫌じゃないよ。
でも学校でボクと遊んだらお兄ちゃんも虐められちゃうよ……」

ボクは、お兄ちゃんも虐められるんじゃないかと思い辛そうに俯いた。

「そんなの関係ねえよ。
俺がさくらんぼうと遊ぶって決めたんだから。
さくらんぼうは、俺と遊べば良いんだよ!」

お兄ちゃんは、ボクの肩を掴み真剣な表情でボクを見つめた。

「もうお兄ちゃんは、強引だよ……
どうなっても知らないよ、お兄ちゃん」

ボクは、満更でもなさそうに苦笑いを浮かべた。
ボクは、すぐにお兄ちゃんの手を取ると同時にいつもボクを虐めているクラスメートの男の子がボクに近づいてきた。

「なんだよ、お前、さくらと遊ぶなんて変わっているよな。
そんな奴となんかと遊ぶなよ。
もしかしてさくらの事が好きなのか?」

クラスメートの男の子は、意地悪そうにニヤニヤしながら話した。

「なんだよ、もしかしてやきもちか?
さくらんぼう、可愛いだもんな。
お前も一緒に遊んでも良いんだぞ」

お兄ちゃんは、男の子の言葉を気にしないように男の子の肩を軽く何回も叩いた。

「な、なんだって!?
バカ、ちげーよ、誰がこんなブスで根暗と遊ぶかよ!
大体さくらは生意気なんだよ。
外国人とハーフの癖にさ。
さくらなんていなくなればいいんだよ!!」

ボクは悲しくて俯いて泣きそう目に涙をためた。
でもいきなりお兄ちゃんがそのクラスの男子を殴り飛ばした。

「さくらんぼうのことを悪くいうな!
謝れ、謝れよ!!」

お兄ちゃんは、自分の手を握りしめてクラスメートの男の子を恐い顔で睨んだ

「何をしやがるんだ!!」

それからお兄ちゃんとクラスメートの男の子は、殴り合いの喧嘩になった。
お兄ちゃんとクラスの男の子の喧嘩は、先生が止めにはいるまで続いた。
お兄ちゃんがボクの事で本気で怒ってくれたのが嬉しくて涙が止まらなかった。
そして気がつくとボクがお兄ちゃんに恋してる自分に気がついた。

〜続く〜