BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 作品集7月22日ダ・カーポ、D.C.投稿 ( No.154 )
日時: 2018/07/22 16:51
名前: 千早 (ID: yci5og17)

D.C(ダ・カーポ)の芳乃さくらの視線から見た作品です
この芳乃 さくらは、小学3年生です

〜桜舞う季節〜

〜小学生編〜

〜第2話〜

お兄ちゃんがボクの悪口を言ったクラスメートの男の子に腹を立てて喧嘩をした。
お兄ちゃんとクラスメートの男の子の喧嘩は、先生が止めるまで続いた。 
喧嘩で怪我をしたお兄ちゃんを治療するために保健室にきている。

「もうお兄ちゃんは無理しすぎだよ。
ボクは、あんなこと言われても気にしなかったのに……」

ボクは消毒液を綿で濡らしてお兄ちゃんの傷口を消毒した。

「痛っ!?
別にさくらんぼうのためではないぞ。
俺は、あいつの悪口に腹がたっただけだ」

ボクがお兄ちゃんの傷口を消毒するとしみたみたいで痛そうに顔がしかめつらになった。
それは、嘘だとボクには、解った。
ボクのために怒ってくれたことも理解していたから……

「お兄ちゃんは、優しいね……」

そんなお兄ちゃんだから僕は好きになったんだと思った。
ボクは、愛おしそうにお兄ちゃんの顔を見つめた。

「俺の顔なんか見てどうしたんだ?」

お兄ちゃんは、ボクの視線に気がついて不思議そうに首を傾げてどうかしたのか質問した。

「な、なんでもないよ」

ボクは、顔を赤らめて自分の言葉を誤魔化すように大袈裟に首を横に振った。

「ほら、手当が終わったよ」

ボクは、顔を赤らめながら絆創膏を傷口に強く叩くように張った。

「痛〜〜叩くなよ〜〜!」

お兄ちゃんは、ボクに絆創膏を叩いて張られると少しだけ涙目でさくらを見つめ不満を伝えた。

「あっごめんね、でもお兄ちゃんは男の子なんだからこれくらいでさわがないでよ」

ボクは、慌てて両手を合わせて謝ると言い訳を伝えた。

「誰のために喧嘩したと思うんだよ……」

お兄ちゃんは、深くため息を吐いて不満を呟くと昼休みが終わりを知らせるチャイムが鳴り響いた。

「昼休みがもう少ししたら終わるな……」

お兄ちゃんは、寂しそうにしみじみと呟いた。

「うん、昼休みが終わっちゃうね……」

ボクは、チャイムが聞こえてきた保健室の天井に付いているスピーカーを見上げた。

「さくらんぼう、放課後にまた遊ぶから昨日会った縁側で待っていろよな」

お兄ちゃんは、立ち上がりボクの方を向いて放課後の遊ぶ提案をした。

「えっ、あんなことあったのにボクと遊んでくれるの……?」

ボクは、お兄ちゃんを怪我させた事が申し訳なくておろおろしながら控えめに上目遣いでお兄ちゃんを見つめた。

「そんなのは、当たり前だよ。
俺がさくらんぼうと遊びたいんだからさ。
じゃあ、昼休みが終わるから俺は教室に戻るな」

お兄ちゃんは、気にしてなさそうにニッコリと笑いボクとこれからも遊ぶ事を述べて。

「うん、またね、お兄ちゃん」

走って去って行くお兄ちゃんを後ろ姿をどきどきしながら見送った。
お兄ちゃんが保健室のドアを開けるのと同時にお兄ちゃんに聞こえないように小声で「お兄ちゃん、好きだよ」て呟いた。
学校の授業が終わると真っ直ぐに家に帰ると縁側でお兄ちゃんが来るのを待っていた。

「お兄ちゃん、早く来てくれないかな」

僕はわくわくしながら縁側に座りながら足をぶらぶらさせていると庭の木の茂みからお兄ちゃんが顔を出した。

「悪い、さくらんぼう、遅れた、早速遊ぼうぜ」

お兄ちゃんは、楽しそうにニッコリと笑うとボクの方に右手を差し出した。

「うん、遊ぼう、お兄ちゃん」

ボクは、お兄ちゃんの手を取ろうとすると木の茂みの端っこにボクと同じ年くらいの女の子が顔を出していた。
ボクは、女の子が控えめにこちらを見つめているのに気がついた。

「あれ、お兄ちゃん、その女の子、誰なの?」

ボクは、女の子の方を向きながら不思議そうに首を傾げた。

「げっ音夢!家で大人しくしていろって言っただろう!」

お兄ちゃんは、嫌そうな顔をしながら女の子を睨んだ。

「で、でも、音夢もお兄ちゃんと遊びたいから……」

音夢ちゃんが咳をしながらお兄ちゃんを不安そうに見つめていた。
この女の子、音夢ちゃんも直感的にお兄ちゃんが好きなんだと気が付いて胸がずきんと痛くなった。

「嫌だよ、音夢は体が弱いんだから家で大人しくしていろよな……」

お兄ちゃんは、嫌そうに自分の両腕を組んで音夢ちゃんを睨んだ。

「嫌……音夢もお兄ちゃんと遊びたい……」

音夢は咳をしながらお兄ちゃんの服を掴んで涙目でお兄ちゃんを見つめた。

「お兄ちゃん、音夢ちゃんも一緒に遊ぼうよ。
置いておきぼりは、可哀そうだよ」

音夢ちゃんが何だか自分と重ねて可愛そうになりお兄ちゃんの袖を掴んで音夢ちゃんとも一緒に遊びたい事を伝えた。

「は〜〜……さくらんぼうがそう言うならば……
でも体調を悪くしても俺は責任をもたないからな」

お兄ちゃんは、仕方がなさそうにため息を吐くとボクと音夢ちゃんを見渡した。

「うん、ありがとう、お兄ちゃん……」

音夢ちゃんは、嬉しそうにニッコリと笑いお兄ちゃんを見つめた。

「じゃあ、行こう、音夢ちゃん」

ボクは、音夢ちゃんの方に右手を差し出した。

「うん、遊ぼう……えっと……」

ボクの方に差し出した手を見つめてボクの名前が解らないみたいだった。

「ボクの名前は、芳乃 さくらだよ、音夢ちゃん」

ボクは、ニッコリと笑い音夢ちゃんに自己紹介をした。

「うん、遊ぼう、さくらちゃん」

音夢ちゃんが明るい笑顔でニッコリと笑いボクを見つめた。

「さくらんぼう、言っておくが秘密の場所は音夢には教えるなよ」

お兄ちゃんは、ボクの耳元で囁いた。

「えっ?で、でも別に音夢ちゃんにならば教えてもいいと思うのに……」

ボクは、お兄ちゃんの耳元で囁き返した。

「絶対嫌だ、教えたら絶交だからな!」

お兄ちゃんは、怒りを表したように大声で叫んだ。

「えっ?お兄ちゃんと絶交は嫌だよ……」

ボクは、お兄ちゃんに絶交されるのが嫌で悲しそうに目に涙をためて俯いた。

「だったら絶対教えるなよ」

お兄ちゃんは、ボクの涙目で俯いたのを見て優しく言い聞かせるように話した。

「うん、解ったよ、お兄ちゃん……」

お兄ちゃんの優しく話したのを聞いて小さく頷いた。
ボクは、そこまで音夢ちゃんをお兄ちゃんが拒絶するのが解らなかった。

「それならばお兄ちゃん、公園なら良いかな?」

お兄ちゃんと音夢ちゃんと遊ぶ場所を公園を提案をした。

「そこならば良いぞ、行こうぜ」

お兄ちゃんは、ボクの方に右手を差し出した。

「うん、音夢ちゃんも行こう」

ボクは、お兄ちゃんの差し出した右手を握りしめて右手を音夢ちゃんの方に向けた。

「うん、行こう、さくらちゃん、お兄ちゃん」

ボクがお兄ちゃんに握られた反対の右手を音夢ちゃんが握り締めるとニッコリと明るい笑顔でボクとお兄ちゃんを見つめた。
ボクとお兄ちゃんと音夢ちゃんの三人で手を繋ぎながら公園に向かって走り出した。
それから音夢ちゃんは何回も苦しそうに咳をするけれども一生懸命についてきてくれた。
お兄ちゃんは、何でこんなにも一途な音夢ちゃんの事を邪険にするのか不思議でしょうがなかった。
ではお兄ちゃんが音夢ちゃんの事に恋愛感情を持っていない事に少しだけほっとした。
でもそんな事を考える自分が音夢ちゃんに悪いと思い自己嫌悪に落ちた。
それから何回かお兄ちゃん達と遊んで月日がたったある日、その日はお兄ちゃんが遊びに来てくれなかった。
お兄ちゃんの事が心配になりお兄ちゃんの家に遊びに行った。
でもお兄ちゃんの家には、音夢ちゃんが居てもお兄ちゃんは留守だった。
それから公園とか色んな所を探してもお兄ちゃんは、見つからなかった。
途方にくれているとふとある事を思い出した。

「もしかしてあそこかな?」

ボクは、お兄ちゃんとボクの秘密の場所にある大きな桜の木のある所に向か
った。
秘密の場所に着くとお兄ちゃんは、桜の木に寄り掛かり眠っていた。

「お兄ちゃんの寝顔が可愛いな」

ボクは、眠っているお兄ちゃんの寝顔を覗き込むと幸せそうにお兄ちゃんの顔を見つめた。
お兄ちゃんはうっすらと目を開けてボクの顔を見つめた。

「う……ん……さくらんぼうか……?」

お兄ちゃんは、眠たそうに目を擦りながらボクを見つめた。

「うん、お兄ちゃんが遊びに来てくれなかったから心配で探しに来たんだよ」

ボクは、悪戯っぽくニコニコ笑いながらお兄ちゃんを見つめた。

「そうか……俺は、眠っていたんだな……」

お兄ちゃんは目をこすり大きくあくびをすると立ち上がった。
お兄ちゃんが桜の木の陰から咳をしながらボク達を見つめている音夢ちゃんに気が付いた。

「音夢!?何でいるんだよ!
まさか、さくらんぼうが連れてきたのか?
約束をやぶったな!」

お兄ちゃんは、怒った顔でボクを睨んでボクに近寄って来た。

「お兄ちゃん、ごめんなさい。
でもボクは、音夢ちゃんがついて来ているって知らなかったの。
音夢ちゃんとはお兄ちゃんの家で会ったのは本当だけれどもでもすぐに別れたから……」

お兄ちゃんが音夢ちゃんが秘密の場所に来たのがこんなにも怒るとは解らずに涙目でおろおろしながらお兄ちゃんを見つめた。

「ご、ごめんなさい……お兄ちゃんが心配でさくらちゃんの後を付いて来たの……。
だからさくらちゃんは、何も悪くは、ないよ……」

音夢ちゃんは、頭を深々と下げてお兄ちゃんに謝った。

「やっぱりさくらんぼうのせいじゃないか!!」

お兄ちゃんは、怒って拳を振り上げてボクを殴る姿勢をした。

「ご、ごめんなさい………お願いだからボクの事を嫌いにならないで……」

ボクは、お兄ちゃんに殴られると思い目を瞑り涙を流しながら両腕で頭を隠した。

「知るか!むしゃくしゃする!
俺は、もう帰るからな!」

お兄ちゃんは、ボクを殴る前に拳をしたに下げると早歩きで去って行こうとした。

「待って、お兄ちゃん……」

音夢ちゃんが咳をしながら一生懸命にお兄ちゃんの後をついて行こうとした。

「音夢!俺についてくるな!」

お兄ちゃんは、音夢ちゃんに怒鳴ると走って桜の木の場所から去って行った。
残されてボクと音夢ちゃんは、悲しくてわんわん涙を流して泣いた。
それからはお兄ちゃんは、怒りが治まらないみたいにボクの所に遊びに来てくれなかった。
学校でもお兄ちゃんと会えない時期が続いた。
その日は、何時ものようにお婆ちゃんの膝の上で座っていた。
このお婆ちゃんの膝の上が凄く好きだった。

「さくら、最近純一を見ていないけれども純一と仲良くしているのかい?」

お婆ちゃんは、ボクを抱き締めながらお兄ちゃんとは、仲良しているのか質問をした。

「お兄ちゃんと喧嘩した……
きっとボクの事なんか嫌いになったんだよ……」

ボクは、お兄ちゃんに怒られた事を思い出して悲しそうに俯いた。

「さくらの事を嫌いになる人はおらんよ。
さくらは、こんなにも可愛いんじゃからね」

お婆ちゃんは、ボクの頭を優しく撫でて優しく話しかけてきてくれた。

「ボクは、可愛くないよ……」

ボクは、下に俯いて小言で呟いた。

「さくらは、可愛いじゃよ。
なんたってさくらは、私の若い頃にそっくりなんじゃからさ」

お婆ちゃんは、満面な笑みを浮かべお婆ちゃんの若い頃に似ている事をボクの顔を覗き込みながら述べた。

「うにゃ!それならばボクは、可愛くないよ!」

ボクは、驚いたように大声を出した。

「この子はなんてことを言うんだろうね。
そんな悪い言葉を喋るのは、この口か?」

お婆ちゃんは、ボクの顔を両手で引っ張ったり揉んだりした。

「うにゃうにゃうにゃ!
ボクは、可愛いよ。
ボクは、凄く可愛いな〜〜」

ボクは、お婆ちゃんに顔を揉みくちゃにされると慌ててお婆ちゃんの言葉を認めた。

「証拠の写真は、確かあそこにあったはずじゃな」

お婆ちゃんは、昔の物をしまっているタンスの方を向いた。

「うにゃ!写真なんか見なくていいよ!」

ボクは、慌てて大声で叫んでお婆ちゃんの昔の写真を出してくるのを阻止した。
そんなの見せられたらボクは、立ち直れないよ〜〜

「やっぱり写真を出すのをやめておくじゃよ。
あそこから出すのも面倒じゃしな」

お婆ちゃんは、タンスから視線をボクの方に向いて楽しそうにクスリと笑った。

「ほっ、良かった……」

ボクは、心底安心したように胸をなで下ろして微笑んだ。

「私が何時までも一緒に居られるわけには、ないんじゃよ。
さくら、ちゃんと純一と仲直りするんじゃよ」

お婆ちゃんは、困ったように苦笑いを浮かべたボクを優しく抱き締めてくれた。

「そんなの無理だよ……
ボクは、そんなに強くないよ……」

ボクは、辛そうに俯いて小言で呟いた。

「さくらは、困った子しゃね……」

お婆ちゃんは、わしゃわしゃと顔をゆがめて笑いながらボクの頭を撫でてくれた。
そのお婆ちゃんの顔とボクを撫でてくれる手が好きだった。
この時がいつまでも続くと思っていた。
それから数日過ぎたある日、先生が突然教室に飛び込んできた。

「さくら!大変だ、家からお婆ちゃんが亡くなったって連絡があったぞ!」

先生は、ボクの席の前に来て慌ててお婆ちゃんが亡くなった事を伝えてくれた。

「そんな……お婆ちゃんが死んだなんて嘘だよ……」

先生から突然に、お婆ちゃんが死んだ事を告げられて呆然として何も考えられなくてふらって床に倒れて意識を失った。
保健室で目が覚めたボクは、すぐに家に帰った。
亡くなったお婆ちゃんに会ってその現実を受け止められなかった。
ボクは、悲しくて秘密の場所に駈け出して桜の木の前でわんわん泣いた。
いつの間にか後ろにお兄ちゃんが立っているのに気が付いた。
ボクは、涙を流しながらお兄ちゃんの方を向いた。

「お兄ちゃん、どうしよう……
お婆ちゃんが亡くなったの……
ボクは、一人になっちゃったよ……
一人は、嫌だよ。
一人は、寂しいよ!!」

ボクの悲しみをお兄ちゃんにぶつけた。
お兄ちゃんは、ボクにゆっくりと近寄りそのままボクを優しく抱きしめてくれた。

「俺がそばにいてやる。
お婆ちゃんの代わりにずっとそばにいてやる。
俺がさくらんぼうの事を一生守ってやる!」

お兄ちゃんは、ボクを抱き締めてボクの悲しみを和らげるようにボクの背中を優しく撫でてくれた。

「本当にボクのそばにいてくれるの……?」

ボクは、涙を流しながらお兄ちゃんを見つめた。

「もちろんさくらんぼうの側に何時までもいてやる!」

お兄ちゃんは、ボクの肩を触り真剣な表現でボクを見つめた。

「でもお兄ちゃんは、怒っていて……
ボクの事なんか嫌いなんでしょう……」

ボクは、お兄ちゃんに怒られた事を思い出して辛そうに俯いた。

「もう怒ってねえよ!
俺は、そこまで心が狭くねえよ!
それに俺は、さくらんぼうの事が一番大切だからな!!」

お兄ちゃんは、真剣な表現でボクの目を見つめた。

「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん!」

ボクは、お兄ちゃんの気持ちが嬉しくてお兄ちゃんを抱きしめ返すとしばらく涙を流して大声で泣いた。
ボクは、しばらく泣くと涙が流れるのが止まるとお兄ちゃんを離した。

「さくらんぼう、もう大丈夫か……?」

お兄ちゃんは、心配そうにボクを見つめた。

「うん、ありがとうね、お兄ちゃん……」

ボクは、お兄ちゃんのしてくれた事が嬉しくてにっこりと微笑んだ。

「うん、やっぱりさくらんぼうは、笑顔の方が可愛いぞ」

お兄ちゃんは、ボクの笑顔を見て満足そうに頷いてニッコリと笑った。

「お兄ちゃん、あのね……ボクは、お兄ちゃんの事が好きなんだよ……」

ボクは、恥ずかしそうに顔を赤らめてお兄ちゃんに告白をした。

「さ、さくらんぼう!?」

お兄ちゃんは、ボクの告白を聞いて大声を出して驚いた。

「お兄ちゃんの返事は、いいよ。
ボクがお兄ちゃんの思う気持ちを知ってほしかっただけだから……」

ボクは、困ったように苦笑いを浮かべて自分の頰を右手の人差し指でかいた。

「俺だってさくらんぼう事が好きだよ!」

お兄ちゃんは、ボクの肩を触り真剣な表現でボクを見つめた。

「でも音夢ちゃんの事は、どう思っているの……?」

ボクは、音夢ちゃんの事を思い浮かべて辛そうに微笑んだ。

「音夢は、ただの妹だ!」

お兄ちゃんは、声を大きく出して音夢ちゃんの事をどうとも思っていない事を伝えた。

「それは音夢ちゃんの前でも言えるの……?」

ボクは、お兄ちゃんの心を覗き込むようにじっとお兄ちゃんの目を見つめた。

「そんなの当たり前だ!」

お兄ちゃんは、真剣な表現でじっとボクの目を見つめ返した。

「うんん、きっとお兄ちゃんは、言えないよ
そんなお兄ちゃんだからボクは、好きなんだもん」

ボクは、軽く首を横に振り寂しそうに微笑んでお兄ちゃんを見つめた。

「気を使わせてごめんな、さくらんぼう……」

お兄ちゃんは、自分の本心を言い当てられて申し訳なさそうにボクに謝った。

「だから今は、この関係で満足なんだよ。
ありがとう、お兄ちゃん、ボクを好きと言ってくれて」

ボクは、お兄ちゃんに感謝の気持ちを込めてお兄ちゃんのほっぺたにキスをした。
今は、お兄ちゃんの言葉で頑張られると思った。
お兄ちゃんのおかげでお婆ちゃんとちゃんとお別れが出来た。
でもね、お兄ちゃん、いつかちゃんと音夢ちゃんとボクのどちらが好きなのか選んでもらうからね。

〜続く〜