BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 君と僕と、ピンクとグレー。 ( No.24 )
- 日時: 2013/10/12 08:28
- 名前: 冬華 ◆tZ.06F0pSY (ID: 2B8Mhr2b)
- プロフ: 安定の星空。
くい、と空の顎に人差し指をあてて上に向かせる。きゅっと口を結んで、仄かに吐息を震わせる空。
そわり、と体の中心を走る甘い刺激。完成が待ちきれなくて右手に持ったルージュのキャップを片手で開けた。
「、」
「だぁめ、少し黙っといて」
ほし、とその唇が動こうとして。嬉しいけど、ルージュがはみ出したら困るからね。
まだ困惑した顔。やっぱりやめようよ、ってミルクティー色がこちらに訴えているのが分かる。
「デート、したいんだろ?」
少し口角をあげてそう聞いてやると、またこうやって睨みつけてくる。
かわいいなぁ、ほんのり涙溜めちゃって。さらには上目遣い攻撃だ。まぁ、俺的にはダメージが回復するだけなんだけど。
しかし成長したもんだ。自分から外に出たいと言うとはなぁ。
でもやっぱり発作起こすんじゃないだろうか、っていつも心配は隣り合わせ。
くるくる、整った唇にそって紅いルージュをのせていく。閉ざされた瞼の上でふるると揺れるまつ毛。
「、はいできた」
「 ぅう…べたべたする……」
いつもより少し濃い、ハニーブラウン色のロングヘアー。ヘアリストの友達にいいウィッグを貸してもらったらしい。
最初聞いたときはびっくりしたけど。だって、空の口から友達なんて言葉が聞けるなんて思ってもみなかった。
うすくチークをのせて、アイラインも入って、ばっちりだ。
チューリップみたいに広がるふわふわのスカート。淡い桜色のハイソックスにゆったりしたブラウス。
「………星の好みってさ、わかりやすいよね……」
「わるかったなw」
ふふ、ってやわらかに笑う空。立ち上がってくるりと回って見せて、広がるスカート。
いい歳して、なにしてんのかなぁ俺達。
「変じゃない?」
「むっちゃ綺麗です」
「あは、ありがとー」
光が当たって、唇とか目の周りが控えめに煌めいた。同時にときめいちゃってすい、と顔を近づけると怪訝な表情をされる。
「……なに?」
「いや、ちゅーしたいなーとか」
「はは……」
呆れ顔であしらわれてしまった。ちぇーつれないなーそりゃルージュ取れちゃうけどさぁとぶつぶつ言ってるとくすくすと笑われて。
なんだよ!って振り返ったらほっぺたにキスされた。
「………、」
ほっぺについた真っ赤なルージュ。なんだかちょっと大人な気分だ。
「でもやっぱり口にしたいー」
「だーめ、……帰ってからね?」
にこり、またいたずらに笑って見せた純情。きゅうぅっ!なんて音が立ちそうな勢いで締め付けられる心。やっぱ空は俺の悪戯な天使だ。
「どこ行くの、結局」
「んー定番ならゆうえんちだろ!」
「えーやだ人しかいないじゃん」
「人以外がいるってそれ動物園しかないと思いますがねぇ」
「ふは、……ラスカルみたい。あとリラックマ」
り、りらっくま……。動物園にクマっているんだろうか。
「あ、コリラックマならいるんじゃないか?」
「うんーじゃあ行こー」
するりと腕を絡み取られて。ふわりと漂うあまぁい香り。いつものやわらかい匂いじゃなくて、ほのかな刺激を感じる香り。
「……たまにはこういうのもいい、かもね」
「はー?」
流れ落ちたその髪をそっと耳に掛けて。耳元でささやけば、チークなんて必要ないくらい顔を染める純情。
「……、行こうか?」
「—————も、ばかぁっ」
『愛してる』
>>ただ空に女装させて星にときめいてほしかっただけ。
取りあえず空にごつさはないのですれ違うくらいなら気づかない程度の完成度かと。
動物園デートかわいいと思うな。!