BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 君と僕と、ピンクとグレー。 ( No.5 )
日時: 2013/08/11 08:19
名前: 冬華 ◆tZ.06F0pSY (ID: 3Sm8JE22)
プロフ: 次から2つほど書きあいっこ。



<はなみちゃんの 檻の中で君とふたり に登場する椿くんと詩音くんのお話。>



「詩音ぅ〜、しおんしおんシオン紫苑、詩音ー!」

珍しく、本気で構ってくれない詩音。ガクガク、パソコンの前に座る詩音の肩を強引に揺さぶる椿の手はまた軽く払われてしまった。
もう、さみしいんですからね、椿だって、。

「ね、詩音てば!」
「だぁもううるせぇ!今俺課題ヤバイの!冗談抜きで徹夜なんだよぉ!」
 
そうですか。椿より課題が大事ですか、詩音は。

いや本当はわかってますけどね椿だって。
詩音はそんなくだらない視野の狭いことなんか頭に無くて、今は大学のれぽーとだかカダイだかで必死なんだ、ってことくらい。

それは詩音が大学を出るために、大人になるために、もちろん必要なことで。


わかってます、……けど、ね、。

つまんない。なんか腹立つ。邪魔してやりたい。
面倒で性格の悪い感情、あるんですよ椿にだって。

椿が大人になるには詩音の愛が必要なのになぁ。




むかむかむか。



食べる気も昼寝する気も、出かける気だってもちろん起きなくて。
見てたらこっちに振り向かないことにいらいらするのに、目を離すことは出来なくて。

なんだこれ。僕、女々しい。きもちわる。


殺したい感情に心が満ちて、我慢、出来そうもなくて 苦しくて。

「————−、っ詩、音……。」

ねぇお願い、こっち向いてよ。なんかもう、……耐えられないよ。


ていうか椿、何我慢してるんでしょう。受身になってる自分がバカらしくて、勢いよくソファから立ち上がる。

「? なに、つばき……、?!」



その、無防備に驚いた顔。 いつもの意地なんかなくって、とても、好き、ですよ。





「んんっ 、 つ、つばき…?ん、んんぁ、こらっ、」

力の抜けた指先で軽くビンタされる、痛いどころかくすぐったくも無い柔らかいビンタ。

ちょっとちゅーってして舌入れただけなんだけどな。怒られちゃった。

「急すぎなんだよ、お前はぁ……」

「好き。」

「はぁ?」

「詩音、大好きぃ好き好きあいしてるー」

「は、え、 つ つばき?」

詩音の言い分も何もかも無視して椿は詩音に巻きつく。
コアラの赤ちゃんみたいに腕をまわして、そのままずるずるとイスに座る詩音の膝に顔をのっけた。

「やだもー僕の思考サイテーだよ詩音ぅー…すきぃ…」

「……わけわかんねぇ」

正直もうだめだ。詩音を失ったりしたらショックで死ねるほどだめになってるとは思う。



詩音はいつも何も言ってくれないけど。好き、って信用されてるんだろうか。

伝わるかどうかってすごい不安なことだけど、ちょっとだけ頑張ってみようと思いますよ椿は。

「ねぇ、構ってくれなきゃ寂しいしなんか不安になっちゃうんだけど僕も。」
「……。………、だっ、て さ、なんつーか…タイミング?つかめなかったから……。」

そっか。  ……なんだ。 なぁんだ、もっと構ってよかったんだ。


「すき、」

「……うん?」

「だいすき、詩音」

「はいはい」

「すき、好きすぎ。あいしてる」

「………。」

詩音が呆れちゃうくらいたくさんそう言葉にして。

なんとか安心感を紛らわさなきゃ目に溜まったそれがこぼれてしまいそうだから。





>>冬華的にはこの2人ってなんか新鮮な雰囲気で、なんか目を離せないんだよなぁ。