BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【GL・百合】二次創作短編集 ( No.63 )
- 日時: 2014/07/09 19:02
- 名前: あるゴマ(あるま&ゴマ猫) (ID: Ba9T.ag9)
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』あやせ×桐乃 B1/3
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私は新垣あやせ。桐乃の親友でクラスメイト、モデル仲間でもある中学生。
そんな私は今、親友である桐乃と街でウィンドウショッピングをしてきた帰りだったりする。
少し前まで桐乃が冷たくなったのかもって心配してたのだけど、どうやら杞憂だったみたい。
——それとも、お兄さんが桐乃にそれとなく言ってくれたんでしょうか? だとしたら今度お礼言っておかなくちゃいけないですね。
「……あやせ? 聞いてた?」
「わわっ!? えっと、も、もちろん聞いてたよ!!」
いけない、いけない。
ちょっと思考の世界トリップしてたみたいで桐乃の話しを聞いてませんでした。
せっかくいい雰囲気なのに、こんなじゃダメだ。
自分に気合いを入れ、笑みを浮かべて、桐乃に向き直る。
「良かった〜。じゃあさっそく家に来てもらっていいかな?」
「へっ?」
——————
「なんだか桐乃の部屋久しぶりに入ったかも」
「そうだっけ? じゃあ今お茶淹れてくるからちょっと待っててね」
そう言うと、桐乃は部屋から出ていきスリッパのパタパタという音が離れていくのが分かる。
そう、今私は桐乃の部屋に来ている。
桐乃は私に見せたい物があるらしくて、家に来ない? と誘ってくれたのだ。
「ふふふ、久しぶりの桐乃の部屋だ」
新鮮な空気を目一杯吸い込むように、深く深く深呼吸をする。
目を閉じれば、まるで高原にでもいるような爽やかな気分になってしまう。
今この空気を独り占めしてるのは私だけなんですね。
ゆっくりと目を開けると、ふわふわとした白いカーペットの上に腰をおろす。
桐乃はいつもどこに座ってるんでしょうか?
なんとなく部屋の中を見まわすと、ベットのすぐ下に白いかたまりのような物が落ちている事に気づく。
「なんだろ? あれ」
ベットの近くまで移動して、その白いかたまりを拾い上げてみると——
「————つっ!?」
これは——この白いかたまりは、も、もしかして、き、桐乃の……ショーツ!?
どうしてこんな所に落ちてるんでしょう?
思わず周りを確認してしまう。
別にやましい事をしている訳じゃない。
女の子同士ですし、本当に……やましい気持ちなんか……これっぽっちもないんですよ?
そんな事を考えながらも桐乃のショーツを掴んだ右手は一向に動いてくれない。
「……落としたのかな?」
洗濯機に持っていこうとして、とか。
確か落とし物は何年か経っても持ち主が現れない場合、拾い主の物にできるとか、そんな話しを聞いた事があります。
この場合も……何年か待てば……って、何考えてるの私!!
桐乃は親友!! 親友の私がそんな事してたなんてバレたら絶交されてしまう。
……でも、ちょっとだけ……ちょっとだけなら。
「 ——んっ」
そっとショーツに顔を近づけてみる。
淡い水色に白いリボンが付いたシンプルだけど、とても可愛いデザイン。
見慣れているはずなのに、『桐乃の』というだけでこんなにも胸がドキドキしてしまう。
この背徳感はなんなのだろう? 悪魔の誘いにでも乗ってしまったように一度してしまえば止まらない。
「んんっ、んっ……」
全身が熱くなってくるのを感じて、それを抱きしめるようにしたまま、桐乃のベットに寝転ぶ。
「……桐乃の匂いに包まれてる……私……えへ、えへへ……」
幸せって、こういう事を言うのかもしれない。
————ガチャン
「遅くなってごめん。紅茶切らしてて……って、どうしたの? 汗すごいよ?」
「そそそ、そんな事ないよ! 全然、大丈夫」
間一髪でした。
あと一秒遅かったら私たちの友情に終止符が打たれてたかもしれません。
とりあえず手に持っていた『物』は、後ろに隠してはいるけど、あとで……惜しいですが返しておこう。
(つづく)