BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 黒バス小説【BL】- 只今『赤高』- ( No.12 )
日時: 2014/01/13 18:11
名前: 侑莉 (ID: hV/zNhkL)

2、赤司×高尾


僕は、今まで「大切な人」、「特別な人」と呼べる人を持ったことがなかった。

“キセキの世代”の他の五人とも、今の洛山のチームメイトにだっていないし、その必要性すら感じなかった。

でも、そんな僕の世界をぶち壊してくれた人がいた。



それが彼————高尾和成だった。





「あ、君、もしかして、赤司クン?」


いつだったか、久しぶりに東京に帰ってきて、馴染みの図書館へ赴いた時のこと。
本棚の前に立ち本を物色していた僕の肩を叩いて、人懐こそうな笑顔でそう話しかけてきた奴こそが——高尾だったのだ。


「……そうだが、君は?」

「……あっそっか。それもそうだよね。俺、秀徳高校PGの高尾和成ってんだ。真ちゃん——緑間の相棒を務めさせていただいてますっ」

陽気な笑顔でそう答えた高尾は、心なしか照れているような感じがした。
それにしても、あの真太郎の相棒……か。なかなかすごいやつなのかもしれない。


「真太郎の………。そうか、君は随分真太郎に懐かれているんだな」

「え、ちょ、いきなり何www」

「…いや、少し驚いただけだよ。あの真太郎が相棒を持つなんて、さ」


この時、すでに僕は少し彼に興味を持ち始めていた。
少々性格に難がある真太郎相手にずっと付き合っていられる奴なんて、希少だろ?

「え、赤司クンは何でここにいんの?洛山って京都じゃん」

「あぁ、ちょっと帰省みたいなものだ」

「へぇ〜……。ここによく来んの?」

「………そうだね。昔はよく来ていたよ」

「へーそうなんだww」

何が可笑しいのか、すごく笑っている。
…ここは図書館なんだが……。

「……ところで君は、一人なのか?もしかして、真太郎も一緒なのか?」

「あーいやいや、今日は俺一人だよ。今日はオフだしな。っつっても、真ちゃんに呼び出されないオフの日の方が、珍しいんだけどなっ」

そう言いながらまたけたけたと笑う。
でも、今の笑い方はさっきの笑い方とは少し違っていた——ように思えた。



……気のせいか。

「なぁ、赤司クンって好きな作家さんっているん?」

突然高尾がそう聞いてきた。

「…あ、あぁ。いるよ。……〇×さん、って人だ」

「え、マジ、赤司クンも!!??俺もスキなんだーその人!!」

途端に高尾がパァァっと顔を明るくする。

「…へ、君もかい?」

「あぁ!赤司クンは何が一番好き?俺はね、最近出た「〇〇〇」がおススメなんだけど〜〜……」


意外と話が合うことに驚いた。
でも、いつの間にか、僕たちは話しこんでいて。
とても楽しくて。

——明日、また会う約束をして、今日は別れた。