BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 黒バスBL小説【高尾総受け】- 只今『赤高』完結!- ( No.42 )
日時: 2014/03/15 12:32
名前: 侑莉 (ID: hV/zNhkL)



「……んで、その渡したいものってなんなの?」


「…あ、あぁ。そうだな」


俺は多少赤くなりながらも、カバンの中からがさごそとそのモノを探す。

そして、

「——高尾。左手を貸すのだよ」

そう告げた。

「…え、うん」

多少戸惑っているのか、ぎこちない仕草で左手を差し出してくる。



俺は小さな箱から、小さなリングを取り出すと、その長い綺麗な左手の薬指にそのリング——指輪をはめた。
サイズはぴったしである。


「……へ、し、真ちゃん、これって……」

高尾の顔が真っ赤に染まる。——多分、自分の顔も真っ赤なのだろう。


「み、見ればわかるのだよっ!」

「そ、そりゃあ、分かるけど……これって、指輪だよね?」

「……あ、あぁ」


次の言葉を紡ぎたい……けど、怖気づいて言えない。

「……た、高尾……」

「なぁに、真ちゃん?」



「………お、俺と婚約をしてくれないか………?」



同性愛。それが世間でどんなに白い目で見られるか。——それは熟知している。

だが、高尾と、今まで以上のつながりがほしかった。
この四年間、いつ高尾が俺の腕から離れていくか、不安で不安でたまらなかった。

だから、より強固に、より確実に、———つながりたかった。



「…・・そ、そりゃあ、俺は全然いいけど……お前はどうすんだよ?医者になるんだろ?」


あぁ、そこまでして俺を優先してくれるのか、お前は。
なんて優しいヤツなのだよ。


「……なるに決まっているのだよ。だから高尾、——俺と一緒に、海外に来てくれないか?」



これは賭けだった。
外国では、日本ほど、同性愛への偏見はない。
海外なら、もっと伸び伸びと、人目を気にせず歩けるかもしれない。——手を繋いで、歩けるかもしれないのだ。

幸い、成績が優秀だった俺は、海外の病院から、こっちで働かないかという誘いが来ている。英語は四年間の間でマスターした。

あとは高尾が、そこまでして俺についてきてくれるか——……。それが問題だった。
だから俺は、賭けに出たのだ。

高尾と、もっと輝いた毎日を過ごすために。
高尾と、もっと輝く明日を見るために。



「………真ちゃん、そこまでして………」

高尾は戸惑いの色を浮かべているようだった。


……ダメなのか。



そう思って諦めかけた、その時。


「……いいよ、いこうか、海外。二人で一緒に過ごそう?」





「……え?…た、高尾……?」


空耳かと思った。


「……い、いいのか?お前はそれでも……」

「良いも何も、俺は真ちゃんと一緒にいたいから。それに、それは俺も少し考えてたんだぜ?だから英語を専門教科にしてたし」


すごくうれしかった。
嬉しすぎて、何度も夢ではない、と頬をつねった。
頬を赤らめながら話す高尾が、とてつもなく愛しくて。
そして、すごく満たされていて。



俺は、なんて良い恋人を持ったんだろう。
そう思った。


———そう思えた自分が、また少し誇らしくて、俺は高尾に、キスを落とした。



「……ありがとう、高尾」




  『君が愛しいから』


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いやー毎回のごとくグダグダでしたね!