BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

他の奴になんか ( No.15 )
日時: 2014/03/09 16:22
名前: 久留巳 (ID: bIbZMEkj)

捩野様リクエスト、『強制モブ白→鬼白』できました!
現パロです。なぜ白澤さんと鬼灯様が一緒にいるのかとかそういう細かいとこは置いといてください←
なぜか中途半端なところから始まります。




大通りで見つけた占い師に、自分の運勢を占ってもらう。鬼灯は占いなど信じないと言って少し遠くで書類を読んでいる。

占いは案外短く拍子抜けするほどだったが、自分の事を言い当てているものばかり。

しかし、一番最後の言葉が気になった。

「悪いことがあったなら、一番大切な人を思い出しなさい。きっとあなたを助けてくれるでしょう」


大切な人?
それはお香ちゃんか、桃タロー君か、はたまた別の誰かなのか。

どれを浮かべてもしっくりこない。


…まあいいか。
今悪いことが起こっているわけではない。起こってから考えよう。


なんてことを考えてると、30m先に可愛い女の子発見。
口説きに行ってくると鬼灯に一言言い残し、走り出す。


大通りから外れたところで、不意に衝撃が走る。

殴られた。
一瞬隙を見せたのが悪かった。

目の隅に、自分を担ぐハゲたオヤジが見えた。


抵抗する力もなく、裏道へと担ぎ込まれる。


「お前、いい体してんな。
俺今溜まってんだよ。金出すからじっとしててくれな…?」


脂ぎったオヤジのギラついた目が、自分の体を舐め回すように見る。


…気持ち悪い。
神獣の力舐めんな、そう思ったところで現世では何の役にも立たない。

「力抜けよ」

オヤジが僕の服を脱がせ、手を入れた。

「や…だ…っ!」
「ほら、四つん這いになってケツ向けろ」

僕の言葉なんて聞いちゃいない。
このままだと犯される。



その時ふと、占い師の言葉が頭をよぎる。


「悪いことがあったなら、一番大切な人を思い出しなさい。」


___鬼灯。



あんなに嫌いだったはずの鬼灯が、一番最初に頭に浮かんだ。


「ほ、お…灯…っ!」
「おうおう、愛する人の名前か?
呼んだって誰も来ねえ…」
「何してるんですか」

聞き慣れた声にハッとして顔を上げると、そこには全身から殺気を放つ鬼灯が立っていた。


「ミンチにされるかみじん切りにされるか、どちらか選べ」


さっきまでの威勢は何処へ行ったのか、震えるオヤジは青ざめながら逃げて行った。




ビジネスホテルにて。

「……ったく。

あなたは現世を舐めすぎなんですよ。地獄よりも広いこの現世で、なぜ注意というものをしないのです」

いつもはうざったいと感じるこの声が、言葉が、今は自分にとって一番の栄養剤に思える。


「どこまでされたんです」

遠慮もしない直球な質問。

「あのさあ…。
僕だって一応プライドはあるんだよ?流石に言えな…」


言葉を切った。
驚いた。



___あの朴念仁が、涙を流しているなんて。


自分でも驚いたのか、顔を赤くしてそっぽを向く。


「そんなに心配だった?」
「うるさい」


少し、可愛いと思ってしまった。
プライドなんかどうでもいいとも。

「本番まではされてない。
脱がされて、触られただけ」
「どこを」
「え、いや、お尻?とかお腹とか?」

なんでこんなに詳しく知りたがるんだろうか。

「……い」

鬼灯が何か呟いた。

「なんか言っ…」


鬼灯の方を向いた瞬間、強い力で押し倒される。

「なに…」

してんの、という言葉は鬼灯の口の中へ消えた。
息が苦しくなって鬼灯を引き剥がす。

「悔しいんですよ!
あなたの体が他の奴なんかに穢されるのが!」

普段感情をほとんど表に出さない鬼灯がこんなに真っ赤になるなんて。
プライドが、なんて言ってた自分がバカみたいに思えた。

「ありがとう」

本心だった。


助けてくれてありがとう。
気づいてくれてありがとう。

想ってくれて、ありがとう。

僕の思いが通じたのか、鬼灯は安心したように力を緩める。

「……じっとしててください。
今、消毒しますから」



END…?

他の奴の匂いをとっぱらうために自分の匂いで消毒する鬼灯様とか萌えません?
私が書くと萌えない不思議。
こんなんでごめんなさい…。