PR
BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- 大好きなんだから! 〜2話〜 ( No.11 )
- 日時: 2014/04/29 12:40
- 名前: やぢゃ@受験やばい (ID: k9pS0/Ff)
帰宅中。
細い路地裏に人影を見つけ、雄斗は立ち止まった。
すこし入りこんでみると、意外な人物であった。
宮崎東だった。
喧嘩でも買ったか売ったか、あちこち擦り傷や切り傷。所々に、出血の痕さえ見られた。
「っう……」
東が呻いた。
意識は戻っていないが、命は確かだ。
(まったく……)
手がかかる奴だ。
このまま放っておいて、彼に何かあっては困る。
ここはあらゆる人間のいる都会。
ゲイがそこらへんに転がっていても、何もおかしなことではないだろ。
現に、ここに同性愛者がいるのだから。
彼を間近でみると、意外とからだが細く、繊細な顔立ちであることが分かった。
「こんな綺麗な顔してるくせに、喧嘩か」
このへんには、いくつか風俗店があったはずだ、ゲイ系の所も。
そこで働けばよかったのにと、思わなくもなかった。
「ん……?」
東が目を覚ますと、そこは随分綺麗に整頓された部屋だった。
間違いなく、自室ではないだろう。東の部屋は、この世のものと信じられないほど汚い。
片付けたいとは思うが。
「オレ……?」
喧嘩をして、多勢に無勢という、最もな理由で負け、滅多打ちにされたところまでは覚えている。
それ以降の記憶がない。
気絶、していたのだろうか。
何にしても、この綺麗な部屋の持ち主は、東を助けてくれたという認識でいいのだろう。
傷の手当てまでしてあり、寝かせてくれているのだし。
薬も塗ってくれたのだろう、だいぶ痛みが引いている。
コンコン
「あっ、はいっ」
反射的に答えると。
PR