BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

大好きなんだから!  〜1話〜 ( No.2 )
日時: 2014/06/09 06:28
名前: やぢゃ@受験やばい (ID: k9pS0/Ff)

「帰ってくるの!?」


思わず立ち上がった葵を、妹が睨む。


「うるさいよ、お兄ちゃん」

「ご、ごめん、茜」


茜は箸を置くとさっさと席を立ち、自室にこもってしまう。

帰ってくるのだ、兄が。

何ヶ月ぶりかの再会だ、葵の胸は高鳴っていた。

兄・敦也と葵ら家族は、一緒に暮らしているわけではない。
兄は既に社会人、東京の大企業に就職した、まさに我が家の誇りである。

彼と葵たちは基本的には、お互い別々の家で暮らしている。敦也はちょくちょく、こちらのようすを見に来てくれている。

おとなになっても、優しいところは変わらず、スタイル抜群、頭がよく、何より格好いい。

これ以上の兄はいないだろうと、葵は彼を自慢しまくっている。


「今日の午後につくらしいわ」


母がウインナーをくちに含みつつ、詳しい時間帯を教えてくれる。


「いやぁ、楽しみだな」


父はにこにこ笑い、大きな肩まで笑っている。

茜は部屋にこもってしまったが、嬉しくないわけではないのだろう。

葵は落ち着かないまま、朝ごはんをのろのろと食べた。