BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

大好きなんだから!  〜3話〜 ( No.29 )
日時: 2014/06/09 17:26
名前: やぢゃ@受験やばい (ID: k9pS0/Ff)

〜閲覧注意〜




「っ……」


恐る恐る歩いて行くと、もぞもぞ動いているものは、一瞬警戒したように動きを止め、すぐに気味悪く動き出す。

ボールを取るのに、特に支障はなさそうだ。
この気持ち悪い動きさえ、絶えていればそれでいい。

ほっと、内心安堵しつつ、ボールに手を伸ばすと。


「ひっ!?」


生物の動きが急変した。

一層おおきなぬちゃりという音をたてたかと思うと、一メートルほど離れたところにあった蓮の手首を。

がっちりと掴んだ。

感触は粘膜のそれ。
草むらから、次々と現れるそれは、太さ・おおきささまざま。

何かをされるのではないかという恐怖に陥る。

が、それより先に脳を支配したのは、快感だった——……。






「ああぁあっ////」


何回達したか分からない。
もう時間感覚さえなかった。

視界に入ってくるのは、茜色と紫色のグラデーションに染まる空。
そして、からだを責めてくる、何なのか分からぬ生物。


「も……あ……ふぁあっ// ひぁ……//」


達しすぎたせいか、意識が朦朧としてくる。


「もういい」


不意に、どこか遠くで声が聞こえた。

とたんに、ぴたりと生物の動きが止まる。


(だ、れ……?)


声のほうを見ようとするが、相変わらず意識はぼんやりしたまま。

視線だけをそちらに向けると。

……あれ。


「まさか、最初から最後まで抵抗なしとは、予想外だったぜ?」


この、声……。


「まあ、蓮のことだからなぁ……。許してやらなくもないけど」


嘘、だよね……?
こんなの。

もっとはっきり確かめたい。

絶対違う。いま見えてる彼は、ここにいるはずがない。
だって、蓮がボールを取って帰ってくるのを、待ってるはずなんだから。
珍しくミスして。
蓮が取りに行くって言ったら、謝りながら頼んでくれた。

やだ……。
まだ、意識飛ばしちゃ駄目だ。

思いとは反対に、次第に、確実に意識が薄れていく。


「ぁ……」


震える腕を、その顔に伸ばす。

彼はにこりと笑い、その手をそっと取った。


「続きはまた後でな——蓮」

(なんで、なの……?



皐…………?)







これは、後日分かったこと。


皐がミスをしたのは、意図的なもの。

そして、あの気持ちの悪い生物は、皐が飼っていたらしい。

何のためかは……知らないけれど。









End