BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

大好きなんだから!  〜3話〜 ( No.4 )
日時: 2014/04/27 23:58
名前: やぢゃ@受験やばい (ID: k9pS0/Ff)

慌てて駆けていくと、そこには、スーツに身を包んだ、すらりとした男性が立っていた。

艶やかな黒髪、白い肌。
切れ長の目に眼鏡という組み合わせが、葵の胸を打ち抜く。


「葵か、廊下は走るな」


帰ってきて早々、小言を言わせてしまった。

やってしまった感もあったが、敦也はにっこりと微笑んで。


「ただいま、葵」





敦也のことを「兄さん」と呼ぶようになったのは、
彼と出会ってから、だいぶ時間が経ってからだった。

母のくちから再婚を聞かされ、その次の日に、敦也と葵は出会った。

葵は元々、再婚反対派だったため、敦也のことをいいとは思わなかった。

この頃から、ばっちり葵は同性愛者。たしかこの時期は、クラスの眼鏡男子に恋していた気がする。

そんなこと、もうどうでもいいから忘れたが。


「よろしくな、葵くん」


兄になるのに、礼儀はしっかりしており、初対面のときは、くんまでつけられた。

葵は何の会話も挨拶もせず、ただただそっぽを向いていた。

そして数日後。
敦也が葵の部屋で寝たいと言い出し、親の許可を得て、葵の部屋で寝た。

その日の夜に言われたことを、一生、葵は忘れないだろう。


「葵、好きだから」


びくっとした。

兄弟的な意味だろうと考える。
しかし、すぐに敦也は。


「もちろん、恋愛的な意味でね」