BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- 大好きなんだから! 〜2話〜 ( No.41 )
- 日時: 2014/07/12 18:41
- 名前: やぢゃ@受験やばい (ID: k7pNoPCO)
「! 光汰!」
弾んだ声がし、次いで、背後からばっと抱きつかれる。
ややよろめいたものの、すぐ体勢をなおし、ぴょこっとのぞいている黒髪を、ぽんぽんとたたいた。
「秋斗も、いま帰りか?」
「うん。また会えてよかった」
にっこり無邪気に笑いかけてくる秋斗に、光汰も思わず頬を緩めた。
茶道部の秋斗と、バスケ部の光汰は、別々の部活であるため、帰りの時刻が合わないことが多い。特に多いパターンとしては、文化部の秋斗が、先に帰宅するパターンだ。
だから、こうして、たまたま一緒の時刻になったときくらいは……。
「ね、一緒に帰ろう?」
「ああ、もちろん」
こちらから離れ、秋斗は光汰の隣に並んで歩き出す。
しばらく、心地いいとすら形容できるような沈黙がすぎたあと、秋斗は切り出した。
「明日って、光汰、バスケ部あったっけ?」
「いや。大会、1ヶ月後だし、まだない」
「そっか……。じゃ、じゃあさ……っ」
緊張したように声を上すすらせつつ、秋斗は光汰を見ずに、うつむいたまま。
「そ、その……出かけない?//」
「…………ああ」
「ほんとっ?」
ぱっと秋斗が顔を上げた。
気のせいか、秋斗の耳がまっ赤な気がする。
「よかったあ……断られたらどうしようかと……」
「心配性だな、だいじょうぶだろ。おまえの誘い、断る理由とかねえし。それに……」
にやっと笑って、秋斗の顔をのぞきこむようにかがむと。
「普段は誘ってこねえおまえからのお誘いなんだからな」
「ッッ……!////」
とたんに、ぼっと顔が赤くなる。
普段は、光汰が誘って、秋斗がOKする。
だが、今回は反対。
慣れないことをして恥ずかしくなっているのかと思ったが、やはりそうだったらしい。
にしても、デートを「お出かけ」なんてふうに言うところも、なんだが秋斗っぽくて、可愛らしい。
秋斗はすこしもじもじしてから、ちいさい声で。
「た、楽しみにしててよね……//」