BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

大好きなんだから!  〜1話〜【初ヤンデレ!駄文注意!】 ( No.43 )
日時: 2014/07/05 03:13
名前: やぢゃ@受験やばい (ID: k9pS0/Ff)

「黒子っち……?」


まわりの光景に、思わず絶句してしまう。
体育館に入ってきたとたんこうなるのは、青峰がダンクを決めた瞬間を見たとき以来かもしれない。

しかし、いまとそのときとでは、ことばを失う原因が、あまりにも違う。

信じられない光景の中心に立つ黒子の目元は、彼がうつむいているせいで、前髪がかかって見えない。

くちびるに笑みをたたえ、黒子はゆっくり振り返った。
先程まで前髪に隠れていたその瞳は、狂おしいほどの感情で溢れている。

ぞくりと、背筋が凍る。


「黄瀬くん……」


いやに、熱っぽい、低音。


「黒子っち、何……してる、んすか……?」


声が震えているのが分かる。
無理もない。

黒子を取り囲んでいるのは、理解しがたい液体にまみれた、帝光中バスケ部……。
『キセキの世代』の、四人だった。

なぜこうなっているのか。
誰がこうしたのか。

そんなこと、もう分かっている。
それをしたのは、目の前にいる彼だし、彼がこうした。

けれど、不可解な点はある。

なぜ、こんなことをする必要があったか。

天才的な能力に開花した彼らが、妬ましくなった?
天才的な能力を身につけ自分を使わなくなりそうな彼らを、始末したかった?

ふたつとも違う。

黒子はそんなタイプではない。
帝光中バスケ部員を、そんな動機でこんな目にわせるほど、黒子はおかしかない。

じゃあ、なぜ……?


「何してるのかって、見て分かりませんか」


あまりにも、あっさりと。

黒子らしくないことを。


「始末したんです、邪魔だったから」

「ッ……!」


彼らしくないなんて、そんなレベルじゃない。

ほんとうに、目の前にいるのは、黒子なのか?

疑問はとうとう、ここまで来た。

本物の黒子じゃなければ、こういうことを言うかもしれない。
いや、偽物だとしても、こんなこと、頭が狂った奴しか言わないが。