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Re: 月島「おまけ短編集」影山「日山縁受け中心」 ( No.101 )
日時: 2014/06/27 19:18
名前: かおる ◆D7srdkd1KM (ID: 0YtH4wPS)

短編そのご
*ノヤ縁


・縁下さんが頭おかしい>>89の続き。







「西谷西谷……にし、のや……」
「大丈夫、大丈夫………。」

ガクガク震えながら俺の名前を薄い声で呼ぶ力。
力は怖い事があるとすぐこんな状態にやなってしまう。
大丈夫、大丈夫と背中をしばらくさすってやれば安心したように眠る。力が眠っている間に俺は家に帰るか学校へ向かうのだ。
今日は、知らない人が病室に来たとか何かで酷く怯えている。(詳しくは、前の看護師が鍵を閉め忘れて、別の看護師が間違えて入ってしまい力を驚かせてしまった)

「の…や………。」

力の腕がダラリと垂れる。俺は力をベッドに寝かせるとそそくさと病室を出た。
はやく、家に帰ろう。そう心で思うがなかなか足が進まない。
チラリ、と力の眠るベッドの方を見る。

「にし、のや……。すき……。」

力が寝言でそう呟いた。
先程の様子が嘘のような優しい寝顔。
俺は力のその表情を確かめると今度こそ病室を出た。







ある日、力の病室から啜り泣く声がした。また力が怖い目にあったのか。
俺は急いで扉を開いた。

「力!」
「西谷………。」

引きつった表情で此方を見る力。
今回はいつもの様に突進してこない。
ただベッドの上で啜り泣いていた。

「何で泣いてんだ!何があった!?」
「西谷、見えないの……?」
「は」
「そ、こ……知らない……人………が……」

力はそういいながら何もない真っ白な壁を指差した。
俺には何も見えないが、力には何か見えているのだろう、怯えながら目を逸らした。

「西谷…… やだ、怖い……あの人 ……」
「力、大丈夫。そこには何もいない。」
「うそ……いる、そこ……いる………」

俺は力を抱き締めいつものように背中を撫でてやる。
力は少しずつ泣き止み、誰かいる、とは言わなくなった。

「な?何もいないだろ……?」
「うん…………。」

力の精神状態が不安定になり過ぎている事ぐらい俺にもわかった。
俺が側にいなければ力はいつか本当に壊れてしまうだろう。
……学校をしばらく休もう。力の側にできるだけいてやろう。

俺はそう決心すると、力の額にそっと口付けた。




〜〜〜〜〜〜〜
あ と が き

>>89の続きです。
腐っても続きです。
意味不明でも続きです。
まだ続くかも。