BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【BL】居候が無駄に可愛い件について。 ( No.28 )
日時: 2014/09/20 16:45
名前: 優斗 (ID: ???)  

七海さん→
いやー、文才なんて無いですよ…
暇人ですので夜も妄想してました故(´∀`*)ウフフ
毎度のコメント、ありがとうございます。





「先程は…すみませんでした。」

取り忘れていたネクタイを緩めて目の前の料理と謝る恵一を眺めた。一応笑わないようにしているが、実はというものスッゴク喜んでいます。

「……これ…」
「へっ、変ですよね!毎日弁当とか作って…女々しいかなー?と思ったり。…すみません。」

絆創膏の巻いてある指を振り回し身ぶり手振りで今の心境を精一杯伝えた。冷ややかに見つめる藤堂を笑わせようと必死なのかも知れない。
素直に笑えない藤堂だったが料理には口をつけた。

「…どうっすかね…へへへ…」

…が多いのは仕方ない。なんせ、本当に沈黙が多いからだ。
そんな沈黙を殴り飛ばす様に藤堂は徐(おもむろ)に呟き微笑んだ。

「…うまいよ。」
「ほっ本当にですか!!ありがとうごさいます!」
「いつもご苦労。…これ、土産だ…」

先程、あまり目立たないように床に置いていた小さな樽を机の上の豪華な料理を邪魔しない様に置いた。曇りの一つ無いワイングラスと葡萄のみずみずしい香りのワインだ。

有名な会社であり、その分高級なものでもある。
どのような物が好きか分からない。なので自分が貰って嬉しいものを差し出す。その考えを結構自分で気に入った事は隠しておこう。

目を見開きさっそく開けようと小さなナイフをキッチンの引き出しから取り出す。本当になんでも揃っているのだなと関心してしまう。

自分の分と藤堂の分をグラスに注ぎ、窓を眺め、少しだけ照れ臭かったがライトを反射する綺麗なグラスに口をつける。その瞬間口から鼻にかけて通り抜ける芳醇な香りに思わず目を閉じた。

「……お礼とお詫びだ。それから、指の怪我…大丈夫だったか?」
「はいー!大丈夫れしたよー。一度はどうなるかと思いましたけどねー…あははは。」

目を逸らし、香ばしく焼かれた魚を口に運んだ。
自分で買ってきたワインとこの食事は恐ろしいほど合う。そう考えては少し嬉しかった。

「…いやですねー。あの時ィ…俺、藤堂さんの顔がちらつきまして。なんか…こう、トキメキっつーか…なんつーか…分かりますかね?」
「…ふむ…トキメキ……えっ?トキメキ?」

「でしてですね、俺、藤堂さんの事が好きなのかなーって…あれ?!気持ち悪いですかね…」
「いいいい…いいんじゃ無いのか?ん?俺、何言って…ちょっ!」

椅子から落ちて…いや、正確には落とされて背中を強く打ち付けた。その上に恵一の体重も重なる。

「藤堂さん…どう責任取ってくれんスか…」

赤い顔と葡萄の香りを少しだけ色っぽいと考えてしまった自分を殴りたい。顔が近すぎる事を考えられなくなった。
軽く襲われてしまったといった方がいいのか…

だが一番言いたいのは…

酔うの早すぎだろ!?

「ん……」

誰か助けて…このままではこいつのセカンドキスまでもが俺にィィ…

そんな藤堂の声は叶ったのか…

「…お邪魔しますゥ…あ……」
「あ……」

重なって見えにくいがそこには煙草をふかす男の姿が。

「すみませんでした。俺、邪魔者でしたね…邪魔しません。帰ります…」
「いや待ってください。退けて下さい。お願いします…」

恵一をどかしたが腰がいたかった。
これは別に、淫猥行為とかによるものでは無いです。

事故解釈した藤堂と自己解釈をした荒田の間にはなんとも言えない、変な空気が漂った。