BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【BL】居候が無駄に可愛い件について。 ( No.33 )
- 日時: 2014/09/22 17:19
- 名前: 優斗 (ID: ???)
「お楽しみ中だったとはね…」
「やましい事は一切してません。」
気持ち良さそうに寝息をたてる恵一に布団をかける。煙草臭い部屋の中。ビールの喉越しの音。頭を掻く度に飛び散る金髪の毛は非常に藤堂にとっては目障りなものであった。
貧乏ゆすりを加速させる藤堂の足には幸い、荒田は気づいていなかった。煙草を用意された灰皿に入れ、先を潰し消すとまた煙草をくわえる。
「…あー、俺は恵一の先輩ですよ。今日は恵一が休みだったし終わってから酒でも飲まねーかなと…」
机の上のコンビニの袋に目を向けた。中にはビールとつまみが入っている。なんとも荒田らしいチョイスだ。
「まさか、恵一がこんなにも酒に弱いとは…ワインなんて、ほぼジュースっしょ?」
「まあ…僕もそう思いますけど…」
「ていうか、居候させてもらっている家って…まさか、お得意様の所だったとは。」
「道端に倒れている人がまさか青山郵送の方とは思いもしませんでしたよ。」
「いいな…恵一。俺も道端に倒れようかな。」
「風ひきますよ。」
話し込んでいる内に意外と歳が近いことが判明した。別に作者が今つけた設定ではない。
刻一刻と過ぎていく時間を早いと感じ、荒田が帰っていった後もテレビを見続けた。恵一を起こさない様に音量は十。寝息と重なる小さな声を懐かしく思う。
「…おやすみ…」
照れ臭いが額にキスをした。
その熱を流さないためにもシャワーを浴びる。気分が良く、すぐに寝れたとか。
恵一の朝は早かった。
毎朝決まった時間に弁当を作り、シャワーを浴び、くしゃみをし、洗濯機を回す。室内干しでは無く、今日はいい天気なのでカラリと乾いた太陽を睨みながらも外に干した。
昨日はぐっすり眠れたしいい夢を見たし。これ程満ち足りた朝は無いだろう。だが、ご飯を食べたのか記憶が残っていない事だけが心配である。
「藤堂さーん!行ってきまーす!」
パンを頬張る藤堂を置いて、チャリに乗り込んだ。作業着が少し暑いが関係無い。
暫くし、会社といつものトラックが置いてある車庫についた。そこそこ有名な会社でもあり、中々大きい建物だ。
「…いよー。恵一。」
「先輩!!おはようございます。」
猫をじゃらしながらヤンキー座りで手を振っていた。恨めしそうに荒田は言った。
「藤堂さん…いい人だな。」
「先輩、ホモだったんですか。」
「ばっきゃろう!!…後でメアド教えろ。」
「うーす。」
話している二人を叱った上司を荒田は睨んでいた。
何故、藤堂のよさを知っているのか不思議だ。
今日もトラックはいつも通り走り始めた。