BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【BL】居候が無駄に可愛い件について。 ( No.49 )
日時: 2014/09/26 19:59
名前: 優斗 (ID: zMzpDovM)

親家(もしくは松コタ)読んだ後とパンを喉に詰まらせるのは一緒。死にそうになる。それから、毛利様にヒールで軽く足を踏まれて「我から離れるな」っていうヤンデレ本を一度でいいからよんで見たい。そして死にたい。

そんな私が書く小説、第二部(短編ばっかり)スタートです。






昔に言われた一言。
貴方は少しでも思い出せますか。

「お前ら!恵一は男とちゃうんや!ちやほやすな!」

でっかいアザを作った疾風が俺をかばってくれている時に言われた一言。俺は一生覚えていくつもりです。
なんで俺は男じゃないと言われなければいけないんだ。それが不思議で不思議でたまらなかった。女友達はそれ以来全て消え去った。

だが、そんな俺達を見て一人だけニヤニヤする女がいた。
それが今の楓である。

「…やっば!アキ先生新刊だすきやな!」
「アキ先生?」

問いかけるとモサモサの無造作に結われた髪を揺らし頷いた彼女。顔には先程まで無かった笑みを強くしている。少々気持ちが悪い。

「支部で有名な先生なん。その作品はどれも耽美で読みやすく、萌えやすい作品ばっかりで…ホンマ、憧れてるんさ!ちょっとだけライバル視してるし…」
「え?少女漫画家さん?支部って何?」

その瞬間、握っていたコップで頬を殴られた。流石、疾風の妹。力だけは強すぎる。そっぽを向いたまままたパソコンを見ながら黒いペンを握った。

昔、その言葉を言われた後「恵一君てオカマみたい…」とか「男子に媚びるなよ」とか言われた。とてもいい気はしなかったがお母さんは「けーちゃんがそういう風な事を言われるのはモテてるからよ?」と言われて姉貴には笑われた。
腹が立った。

「…疾風は?」

おそるおそるその原因を作った奴の存在を伺うとその瞬間、楓の部屋の扉が開いた。茶髪のあの鬱陶しい頭と光るピアスが見える。間違いなくアイツは疾風。気力を表に出さない顔がやはり腹立たしい。

放り投げるかの様にハートの机にココアとクッキーをお盆ごと置いて携帯をいじり始めた。俺の横に座っているアイツを気持ち悪くは不思議と思わない。そういえばコイツが来てから不思議な事しか無いような…

そうしていると口を開く。

「よう。」
「んだよ。」

前の喧嘩から三ヶ月程たった今、何を話そうか考える余裕が出来た程落ち着いた俺は今日こそは話し掛けようと思っていたがまさかアイツからとは。
マグカップの底に沈んだココアの粉を潰そうと口にふくんだ。その時の沈黙は多分今までで一番記憶に残る沈黙だろう。

「…元気か?」
「何その親みたいな感じ。」

やっとスマホをベッドの上に置いた疾風の目を俺は久々に見つめた。
カッコいいんだかカッコ悪いのか分からない容姿はいつものアイツだ。俺は凄く綺麗だと思う。精神がだぞ?
今もアイツは夢を追いかけてバイトをしている。

一人で赤面している疾風はまた携帯をいじり始める。楓はヘッドホンをウォークマンに付けてリズムに乗っていた。タンタンと机を軽く叩く音が部屋中に響く。

「…俺さ、彼氏できた。」
「そうか…よかったな。」

何気ないこの会話。実は物凄く変な言葉が入っている。
無視したけど。