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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【BL】居候が無駄に可愛い件について。 ( No.51 )
- 日時: 2014/09/27 18:50
- 名前: 優斗 (ID: ???)
調理学校を卒業した彼にとって、毎晩の夕食のメニューを考えるのは楽しいことだった。
「…よし!そうめんにしよう。」
と思い立って疾風らの家を飛び出た。夏の夕暮れは暖かな風が吹く。そうめんは喉ごしもよく、疲れた藤堂にはピッタリだと思い決めた。
なんやかんやでこの生活も長いが、毎日が楽しくて過ぎるもあっという間だ。一応家を探しているが出ていきたくない。藤堂の許す限りならずっと居たい。
街灯を目で追いかけながらスーパーの前に行くと、向かいからは眼鏡の無表情。間違いない。藤堂だ。
嬉しさのあまりに大きく手を横に広げて降った。
「藤堂さーん!」
「っ…ちょ、恥ずかしいから…」
照れる彼を目の前に強引に袖を引っ張った。こんなに強引なのには深い事情があり、今日は沢山物を買ってもらおうという考えだ。
分かっていない彼は恥ずかしそうに連れられていく。
Tシャツの汗がスーパーの店内に入ると冷え冷えとした空気で冷たく感じた。ペッタリと肌に張り付くシャツが冷たくては風をひきそうだ。
「藤堂さん、ジャケット…。」
「え…?は、はい。」
戸惑ったのか1テンポ遅れて肩に担いでいたジャケットを手渡した。大きいサイズだったがそんなのは気にしない。
途中、プリンを篭に入れると今度は珈琲牛乳い入れてくるという行動を見たが藤堂は顔色一つ変えずに見ていた。
レジのお姉さんに変な目で見られるが笑顔で交わし、スーパーを後にする。ジャケットが役に立った。暖かい。
「帰りましょうか!」
一人機嫌のいい恵一。
「…いつまで握っていればいい?」
「は?…あっ!すみません!」
手を振り払おうとしたが握り返されて動けなかった。
嫌では無く、どこか安心した手のぬくもりに恵一も握り返す。
密かに恋人繋ぎに変わっていた事には藤堂は幸いにも気づいていなかった。
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