BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【BL】居候が無駄に可愛い件について。 ( No.67 )
日時: 2014/12/06 00:05
名前: 優斗 (ID: jwkKFSfg)

※あーるじゅうごかな?




「藤堂さん今日は遅いんですか、えー。」

受話器の奥で藤堂さんはきっと頭を下げているに違いない。優しい声に俺は毎日幸せだ。

「分かりました。今日は一人で食べますよ。」

ごめんねと謝らせてしまったのは反省する。そう胸に誓い、受話器を置いた。今日は休みだし、部屋の掃除がしたかった。
近頃寒くもなってきたしストーブも出しておこう。

その時にインターホンが鳴った。

「…どなたですかー?」
「あー。すんません。」

答えになってない答えを返した男の声はドアを開けた。

目に写ったのはあの男。
痩せている体は骨が見えて、鎖骨はくっきりとしている。デカイ手で首を押さえ、ヘラヘラ笑っているその長髪はまさしくあいつだ。

「おま、雰囲気変わったよな。」
「…御手洗…」
「つーか、なんでお前ここに居んの?意味わかんね。」

御手洗という男を俺は夢で見た。
隣に住んでいた浮気性の男であり、毎晩女をとっかえひっかえしながら連れ込んでいた。そいつに家を燃やされた。
訴えてやりたかったがそんな金はなく、相手の不注意という事で一時は収まったが、俺の怒りは収まっていない。

だが、アイツのおかげで藤堂さんとも出会えたし何より毎日が楽しい。

そうだった。

「ふー。金がなくてサ、マミーに仕送りしたのよ。飯が食べたいのよね。邪魔するぜー。」
「まっ…」
「あ?」

睨み付ける細い目に少し退いた。

すぐに上がるなり、ソファに深く座る。
本当にコイツ年上か?

「…なぁ。」
「はい?」

御手洗は、俺の首筋を指差すと口許を歪ませて笑う。

「キスマーク…付いてるよ?」
「ばっ…!!」
「あははァ…可愛いィ?」

引き笑いを繰り返す彼を俺は心底好かない。だが、なぜ御手洗はこの家を知っていたんだろう。

「やっぱ、藤堂さんとしてるんでショ?」
「…………そん…な事…」
「なぁ?そうだろ。してんだろ。」
「……ま……そうかも…そうじゃ無いかも…」

「意外と、口大きいんだ。どう?痛いの?」

本当にデリカシーの無い!
笑っていた御手洗は俺に近付き壁際に追い込まれた。壁とアイツの間に挟まれた俺は涙目になる。

「…泣かなくてもいいよ?」
「うっ…んっ」

舌を先だけ入れては焦らすような長いキス。藤堂さんの優しいキスではなく、激しく少し意地悪な。

「……女には飽きたんだよ。」
「ヒイッ?!」

「あれ?お取り込み中か?」