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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 【BL】居候が無駄に可愛い件について。 ( No.69 )
- 日時: 2014/12/14 20:03
- 名前: 優斗 (ID: vstNT7v3)
「…ッチ、」
舌打ちをして声の聞こえた玄関へ駆けていく御手洗を最後まで脅えながら見送った。
声の主は荒田だ。陽気な変わらない笑顔で走っていく男を見つめて、こちらを向く。片手にいつものビールを持っている。どこか不思議な人だ。
「おま、なに泣いてんだよ。きっしょ。」
確かに、視界が潤んでいるが瞬きをした瞬間に気がついた。
「まあいいけどよ、さっきの男、誰だよ。」
「別に…」
目を伏せ、下を向くと荒田は優しく抱き寄せてくれた。父のような暖かみのある大きな殻はやはり安心した。
「言っとくけど…俺はホモじゃねーから。泣いてる後輩がいたらこういうことしてあげるんだよ。女にもしてやれよ!この、ホモ野郎!」
「うるさいです。ホモホモいいやがって。黙れ!つか、離せ!」
「そうだ!それでこそ俺の後輩だ!憎たらしいのがちょうどいいんだよ!…あばよ!」
照れ臭そうに去っていく先輩に手を降る。
励まして貰えたはものの、やはり苛立ちはおさまらなかった。苛立ちというよりもどこか恐ろしい。アイツの怖さをはじめて知った。
目に染みる太陽も曇っている。
今すぐ藤堂に会いたかった。
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