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BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: 君と僕(カノシン長編BL)※コメント下さい ( No.47 )
- 日時: 2014/11/23 15:02
- 名前: 視力0.1 (ID: PlCYIOtu)
3、嫉妬(1)
その日の夜_____
セトの部屋に、僕は呼ばれた。
昼間のこともあって、僕は正直かなり不安だった。
はあ、とため息をついてセトの部屋のドアの前に立つ。
嫌だな、開けたくない。はっきり言って、もう自分の部屋へ戻りたいくらいだ。
すると唐突に向こう側からドアがガチャっと開いた。
そして僕はそのドアに見事頭をぶつける。
カノ「いたっ!な、なにさもう!」
抗議の意味を込めて、ドアを開けた人物を見る。
案の定、ドアを開けたのはセトだった。
セト「あぁ、物音がしたんで何かと思ったら、カノだったんすか!」
にこにこと白々しいほど爽やかな笑顔を浮かべた、セトは悪びれもなくそう言った。
カノ「な、なにさ、呼んだのはそっちじゃん。」
セト「まあまあ、取りあえず入るっす。」
快く僕を招き入れるセト。
その笑顔から感情は読み取れない。
カノ「で?話って?」
セト「そんなに急かさないでもいいじゃないっすか。せっかく話せるんすから。」
カノ「…まあね。」
セトのベッドに並んで腰掛ける。
セト「単刀直入に言うっす、カノはシンタローさんか好きなんすよね?」
カノ「!別に?そういう訳じゃ…」
しらを切るつもりで嘘をつこうと思ったが、無駄だった。
セトの目は赤黒く輝いていたのだから。
カノ「うん、ご名答だね?セト。」
セト「はは、嘘ついてくれてもいいっすよ?後から暴くのも楽しみにしてたんすから。」
本当にこう言うときのセトの腹黒さには敵わない。
マリーにこんなセトを見せたら、どうなることやら。
セト「余計なこと考えてないで、どうにかしようとか思わないんすか?」
カノ「…さぁね?どうしようかなー?」
焦っていることを悟られないよう、茶化すようにへらへらして見せる。
しかしこの態度が、セトをあんな行動に移させてしまうなんて、僕は考えてもいなかった。
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