BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 独りぼっちのお話(オリジナル小説) ( No.5 )
日時: 2014/12/10 20:50
名前: 視力0.1 (ID: KjYpxfgY)

第一話 〜眼科医と盲目〜

思い出したくもない上司の言葉を思い出し、腹が立ってきた。
と、そのとき_______
「きゃっ!」
「つっ!」
誰かと思いきりぶつかってしまった。
声からして女の子か。
だが、イライラが募った俺の感情を爆発させるには、今の出来事は十分すぎるものだった。
「どこ見て歩いてんだよ!ったく…!」
溜まったストレスを、少女にぶつけるなど大人げないと分かっていたが、つい怒鳴り散らしてしまった。
「ご、ごめん、なさい……、私、その…目が見えないんです…」
怯えたような少女の声。
「え…?」
少女を見下ろすと、右手には杖をつき、涙を目に溜めている。
まずい…これは泣く、のか?
いや、確実に泣くだろう。泣かれたら、俺は完全に変質者扱いをされてしまう。
「あ、いや…悪い、俺そんなの知らねぇで…」
慌てて謝ると、少女は寂しげに笑い、うつむいた。

「いいの、おじちゃん……私、要らない子だもん…」


PM3:12