BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: 【異常性癖・ヤンデレ】恋の色。【その他BL】 ( No.622 )
日時: 2015/09/22 16:39
名前: Re:rate (ID: UcGDDbHP)
プロフ: http://s.ameblo.jp/zjrc35a8kz/entry-12069762247.html

三話








それからというもの、秋は午後になると毎日屋上に通った。
二人で会っては他愛もない会話をし、笑い合った。
相変わらず樂の笑顔は綺麗だったが、たまに触れ合う手は冷たかった。
何度か、何故冬服に替えないのかと訊いた事がある。すると決まって、微妙な顔をしてはぐらかされるのだ。
そんな事を繰り返して、月日は重なった。
樂と会うのは楽しかった。毎日色々な、違った景色を見られる気がしてわくわくした。
勉強を教わったり、秋の撮った写真を一緒に眺めたり。時には、戯れにお互いを慰めたりもした。
秋は樂の変わらない笑顔を見るのが、いつの間にか好きになっていた。
そしてそれを実感する度に、大切な日々だと改めて感じるのだ。

そんなある日だった。



樂と会う時間も終わり、部室に来た時の事。
秋は顧問の出していた一枚の写真に、目を留めた。

「先生…これ…」

「ん?あぁ…これか?お前が入学する二年前の三年生だよ。あんまり人に言えたもんじゃないが…真夏日に死んだんだ」

顧問が何を言っているのか分からない。
目の前が真っ暗になり、気持ちがざわつく。

「あぁ、ちょうど今の三年…赤澤がいるだろう?そいつが一年の時に撮った写真だ。名前は確か…」

やめろ
頼むからやめてくれ

聞きたくない



「明智樂、っていったか…?」




写真の中の彼は、何時も秋に見せる眩しい笑顔で写っていた。