BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: ドキドキプリキュア!二人を繋ぐ赤い糸 ( No.13 )
日時: 2018/05/31 06:59
名前: 苺 (ID: AJSrsss3)

「なるほどな、アンジュ王女は、こんな所に居たのか」 

声をした方を向いたらベールが宙に浮いていてキャンディーを舐めながらアンジュ王女を見下ろしていた。

「お迎えに参りました、レジーナ様」

ベールは、レジーナの近くに降りると自分の胸に右手を当てて頭を下げてお辞儀をした。

「あたしは、まだ帰らないわよ。
まだマナと遊ぶの!」

レジーナは、腕を組んで横を向いて我が儘を伝えた。

「我儘を言われたら困ります。
キングジコチュー様からの言伝があります。
レジーナ様が拒んだ場合は、力づくでも良いと言われています」

ベールは、口に挟んでいる棒が付いているキャンディを口で砕いて食べると棒を捨てた。

「へ〜〜〜ベールがあたしに敵うと思ってるの?」

レジーナは、腕を組んで睨むようにベールを見つめた。

「確かに今のままでは、厳しいでしょうね。 
だがこれならどうかな?」

ベールが右手で指を鳴らすとレジーナの手首に黒色の輪っかが現れてレジーナの手首に巻きついた。

「な、何よ、これ、取れないじゃない!?」

レジーナは、一生懸命に手首に巻きついた輪っかを外そうとした。

「無駄ですよ。
レジーナ様には、外れないようになっていますからね。
この輪っかがついているかぎり力は、使えませんよ」

ベールは、不気味にニヤリと笑った。

「えっ!?」

レジーナは、ジャンプして飛ぼうとしたり指を振ってビームを出そうとした。
でも何も起こらなかった。

「嘘、力がなくなっている……」

レジーナは、呆然と自分に腕に巻かれている輪っかを見つめた。

「それでは、帰りましょう、レジーナ様」

ベールは、レジーナに近づこうとした。

「レジーナは、連れて行かせないよ」

あたしは、レジーナを守るようにレジーナとベールの間に立った。

「マナ!?」

レジーナは、あたしが守るように立ったのを見て驚いたようにあたしを見つめた。

「ほ〜〜〜、見た所によるといつもいる妖精は見当たらないみたいだね。
もしかしたらプリキュアに変身ができないんじゃないか?」

ベールは、自分の顎を触りながらにやけながらあたしを見つめた。

「確かにプリキュアに変身できないよ。
でもレジーナだけは、守って見せるからね!」

あたしは、ベールを睨むように見つめた。

「マナ……」

レジーナは、不安そうにあたしの袖を掴んだ。 

「……俺も舐められたものだな……」

ベールは、指を振ると指から光線が出た。

「ッ!?」

あたしの体にビームが当たると体が吹っ飛び壁に叩きつかれた。

「マナ、大丈夫!?」

レジーナは、あたしのそばに駆け寄るとあたしの体を抱きあげようとした。

「それでは帰りますよ、レジーナ様」

ベールは、レジーナの腕を掴んだ。

「嫌、帰りたくない!!」

レジーナは、涙目でベールの手を振り解こうとした。

「レ……ジーナ……を連れて……行かないでよ……」

あたしは、気を失おうとするのをどうにかたえながらベール達を見上げた。

「アンジュ王女も貰っていくよ」

ベールは、氷り付けになっているアンジュ王女に右手を向けるとアンジュ王女が浮かび上がった。
ベールは、右手でレジーナの手を掴んだまま宙に浮かび上がるとベールとレジーナとアンジュ王女の姿が消えた。

「レジー……ナ……」

あたしは、レジーナの姿が消えてからすぐに気を失った。
次に目を覚ました時は、別荘のベットの上だった。
あたしは、起き上がり周りを見渡すとベットの周りに六花達がいた。

「えっと……あたしは、どうしてこんな所にいるの?」

あたしは、状況を確認するように六花を見つめた。

「マナは、洞窟で倒れてたのよ」

六花は、あたしの被っている布団の上からあたしの体を触った。

「洞窟……?
あたしは、レジーナを守れなかったんだね……」

あたしは、レジーナを連れて行かれた状況を思い出して辛そうに俯いた。

「ねえ、マナ、何があったの?」

六花は、あたしの手を握りしめて優しく質問をした。

「ベールにアンジュ王女とレジーナが連れて行かれたんだよ」

あたしは、辛そうに俯いてレジーナの事を考えた。

「えっ、アンジュ王女様が見つかったの!?」

まこぴーは、驚いてあたしに近づいた。

「うん、レジーナが見つけてくれたんだよ。
アンジュ王女は氷り付けにされていたけれども……
でもごめん、まこぴー。
アンジュ王女は、レジーナと一緒にベールに連れて行かれたの……」

あたしは、悔しそうに自分の両手を握りしめて俯いた。

「そんな……アンジュ王女が連れて行かれるだなんて……」

まこぴーは、絶望したように呆然とあたしを見つめた。

「皆にお願いします。
レジーナを助けるために力を貸してください」

あたしは、ベットの上で頭を下げてレジーナを助けるのをお願いした。

「シャルルは、いつでもマナの力になるシャル」

妖精のシャルルは、あたしの手の上に乗ってあたしを見上げた。

「私もレジーナを助けるのを手伝うよ」

六花もあたしの手を握りしめてレジーナを助ける事を伝えた。

「ラケルもマナの力を貸すラケル。」

妖精のラケルもあたしの手の上に乗っかりあたしを見上げた。

「私もレジーナさんを助ける手伝いをさせてもらいますわ」

ありすもあたしの手を握りしめてやんわりと微笑んでレジーナを助ける事を伝えた。

「ランスもレジーナを助けるランス」

妖精のランスもあたしの手の上に乗っかりあたしを見上げた。

「は〜〜〜……皆、正気じゃないわね……
レジーナは、ジコチューなのよ。
自分の親の元に帰っただけじゃない」

まこぴーは、深くため息を吐いて冷めた眼差しであたしを見つめた。

「で、でもレジーナは、無理やり連れて行かれたんだよ。
あたしは、レジーナを助けたいの……」

あたしは、藁を掴むような眼差しでまこぴーを見つめた。

「マナには、ついていけないわよ……
でもアンジュ王女様を助けていけないわよね」

まこぴーは、口元を押さえて考え込みながら述べた。

「それじゃあ、まこぴーもトランプ王国について来てくれるんだね!」

あたしは、嬉しそうにニッコリと笑いまこぴーを見つめた。

「言っておくけれどもレジーナの為じゃないわよ。
私は、アンジュ王女様の為よ」

まこぴーは、恥ずかしそうに顔を赤らめて横を向いた。

「それでも嬉しいよ。
ありがとう、まこぴー!」

あたしは、嬉しくてまこぴーに抱き着いた。

「もうマナったらげんきんね……
もう一度言っておくけれどもレジーナの為ではないわよ」

まこぴーは、あたしに抱き着かれると仕方がなさそうに苦笑いを浮かべた。

「うん、それでも良いよ。
まこぴーがついて来てくれるだけで心強いもん」

あたしは、まこぴーが着いてくるのが嬉しくてニッコリと笑った。

「それでマナは、どうやってトランプ王国に行くつもりなの?」

六花は、キョトンと首を傾げてトランプ王国の行き方を質問をした。

「あっ……!?
どうやったらトランプ王国に行けるのかな?」

あたしは、肝心の事を忘れていて口元を押さえて考え込んだ。

「マナは、考えてなかったのね……」

六花は、あたしの考えなしに仕方がなさそうに苦笑いを浮かべた。

「トランプ王国に行く方法は、僕に任せてくれないかな?」

声をした方を向くとお兄さんが部屋の入り口に立っていた。

「お兄さん、何でここにいるの?」

あたしは、お兄さんの方を向いて何故お兄さんがいるのか質問をした。

「実は、アンの手掛かりがここにあるっていう情報を掴んだ。
でも一足遅かったみたいだね」

お兄さんは、あたし達を見渡して苦笑いを浮かべた。

「お兄さん、トランプ王国の行けるって本当なの?」

六花は、お兄さんに近寄り信じられないようにお兄さんを見つめた。

「アンからトランプ王国と人間界を通じる時空の宝石を貰ったんだよ。
1回しか使えなくて二時間でトランプ王国と人間界を通じる裂け目が閉じる制限もあるけれどね」

お兄さんは、時空の宝石らしい赤色の宝石をあたし達に見せた。

「そんなアイテムがあったのね……
私は、そんなのがあるだなんて知らなかったわ」

まこぴーは、感心したようにお兄さんが持っている宝石を見つめた。

「一部の人しか知らないアイテムだからね」

お兄さんは、時空の宝石をポケットに直した。

「マナ、今日は、休みましょう。
そして明日になったらレジーナを助けに行きましょう」

六花は、マナに今は休む事を優しく話した。

「待って、あたしは大丈夫だよ。
だから今すぐレジーナを助けに行こうよ!」

あたしは、立ち上がり六花の肩を触り自分は、大丈夫な事を伝えた。

「マナちゃんがレジーナさんを早く助けたい気持ちは、解りますわ。
でもその体では、ジコチューと戦うのに足手纏いです」

ありすは、真剣な表現であたしを見つめた。

「うっ……ありすは、物をずばずば言うよね……」

あたしは、自分でも感じていた事を言われると返す言葉が見つからなかった。

「私は、レジーナさんが大切です。
でもマナちゃんも大切な友達ですわ。
友達が無茶をしようとしたら止めるのは、当たり前です。
だからマナちゃんは、今日はゆっくりと休んで体の体力を回復させて下さい」

ありすは、あたしの手を握りしめてあたしを諭すように優しく話しかけた。
それからありすは、あたしの体をベットに倒した。

「今は、ありすの言葉に甘えさせてもらうね。
早く体力を回復させてレジーナを助けに行かないといけないからね」

あたしは、布団をかぶりありす達を見渡した。

「いつまでもここに居たらマナちゃんが眠るのに邪魔になりますわ。
だから行きましょう、皆さん」

ありすの言葉を聞いて六花達は、部屋を出て行った。

「早く体調を治さないとね。
そして必ずレジーナを助け出すからね。
だからレジーナ待っていてよ」

あたしは、囚われのレジーナの事を考えながら目を瞑った。
そして必ずレジーナを助けると心に誓った。

〜つづく〜