BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)
- Re: ドキドキプリキュア!二人を繋ぐ赤い糸 ( No.14 )
- 日時: 2018/06/01 19:10
- 名前: 苺 (ID: V34pA3mQ)
これは、ドキドキプリキュアの百合小説です
この話は、レジーナの視点から書かれています
〜ドキドキプリキュア!二人を繋ぐ赤い糸〜
☆第八話☆
あたしは、ゆっくりと目を開けると辺りが真っ暗だった。
「う〜〜ん……ここは、何処なの……?
確かベールに無理やり連れ戻されたはずよね……
駄目、それ以上は、思い出せないよ……」
あたしは、手でおでこを抑えるとおでこがべたついていた。
「えっ、手がべとべとしてる……?
いったいなんなの……?」
あたしは、自分の手を見ると両手が血でべっとりと赤くなっていた。
「な、なんなのこれ…?」
あたしは、状況が飲み込めなかった。
そしてあたしの近くに何か落ちてるのに気がついた。
目を落とすとマナとありすと六花が血だらけで倒れていた。
「マナ、ありす、六花!!」
あたしは、マナに近づいて息を確認したらマナが息をしていなかった。
「嘘……?
マナが死んでいる……
何があったの……?」
あたしは、茫然とマナを見つめていると後ろから誰かに話しかけられた。
「レジーナ、あなたがそれを言うの?」
後ろを見ると血だらけの姿の真琴が立っていた。
「いったいどういう事よ!!」
あたしは、状況が解らなくて真琴を睨んだ。
「レジーナ、あなたが私やマナ達を殺したんじゃない……」
真琴は、血だらけの顔のままあたしを睨んだ。
「嘘だよ!
あたしは、そんな事をしていないもん!!」
あたしは、激しく首を横に振り大声を出して否定した。
「それならば何故マナ達の血がレジーナの両手についているのよ……」
真琴は、あたしを攻めるようにあたしに近づいてあたしを睨んだ。
「そんなのあたしは、知らないもん」
あたしは、自分のしたことを否定するように頭を激しく横に振った。
「……レジーナ、あなたは、マナ達を裏切って殺したのよ。
あなたを一生許さないわよ……」
真琴は、あたしを睨むと真琴の体が避けると地面に倒れこんだ。
「本当に、あたしがマナ達を殺したの?」
あたしは、自分のしたことを理解して胸が苦しくなった。
あたしは、手を地面につくと目からぼろぼろと涙が流れた。
「はっ!?」
気がつくと周りには、マナ達が倒れていなかった。
そのかわりに背中に塔が立っていた。
自分の周りには、丸い広場が広がっていた。
広場の外は、崖になっていた。
「今までの事は、夢だったの……?
それとも正夢なのかな……?
あたしは、いつかマナ達を殺すのかな……?
そんなの嫌だよ……」
自分がマナを殺すところを思い浮かべると胸が苦しくなりうずくまった。
「レジーナ様、体調は宜しいですか?」
声をした方を向くとベールが立っていた。
「ベール!?」
あたしは、ベールを親の敵のように睨んだ。
「機嫌は良くないみたいですね。
でも力が封じられているレジーナ様には、何もできないでしょう」
ベールは、あたしの態度を気にしてないようにキャンディを舐めた。
『レジーナ……』
声をした方を見ると空にパパ……キングジコチューが映し出されていた。
「パパ、お願い、マナ達と戦わないでよ。
マナ達とは、解りあえるはずだよ!」
あたしは、真剣な表現でパパを見上げてパパを説得した。
『レジーナ、それは出来ないだよ……
人間達を滅ぼさないと私達に未来がないんだよ……』
パパは、あたしを諭すように優しく話しかけた。
「そんな事ないよ、パパ!!」
あたしは、なおもパパを一生懸命に説得するように見上げた。
『レジーナは、パパに反抗する悪い子になったんだい?
そんな悪い子は、私の娘でない!
ベール、レジーナの事は、まかせる。
好きなようにして構わないぞ』
パパは、大声を出して怒りをあらわにするとベールの方を向いた。
「はっ、お任せください、キングジコチュー様」
ベールは、胸に手を当ててお辞儀をした。
「ちょっと待ってよ、パパ!!」
あたしの叫びも聞かずにパパの姿が消えて見えなくなった。
「レジーナ様には、プリキュアを誘き出す餌になってもらいます」
ベールは、不気味にニヤリと微笑んだ。
「そんなの嫌よ。
何であたしがマナ達を誘き出す餌にならないといけないのよ!」
あたしは、ベールがのばしてきた手を右手で叩くと唯一かかっている橋に向かって走り出した。
「は〜〜〜……レジーナ様、我儘を言われたら困ります……」
ベールは、逃げ出したあたしを見てため息を吐いた。
「えっ……?」
後ろからベールの声が聞こえたと思うとベールに頭を掴まれた。
ベールは、あたしの頭に衝撃波を放った。
あたしは、眠るように気を失って倒れこんだ。
あれからどれだけ時間がたったか解らない。
でも近くであたしの呼ぶ声に気がつきゆっくりと目を開けた。
あたしの前には、キュアハートに変身したマナが心配そうにあたしを見つめていた。
「う〜〜〜ん……マナ……?」
あたしは、状況を理解できてないようにぼ〜としながらマナを見つめた。
「良かった、気がついたんだね。
レジーナ、体が痛い所は、ある?」
マナは、あたしが気がついのを見て安心したように微笑んだ。
「うんん、体の痛い所は、ないよ。
でもまだ力は、まだ使えないみたい……」
あたしは、指を振ってビームを出そうとするけれどもビームが出なかった。
「力が使えないのよりもあたしは、レジーナが無事な方が大事だよ」
マナは、優しく微笑んであたしが無事が大事だと伝えた。
「ねえ、マナは、何であたしを助けに来てくれたの?」
あたしは、真剣な表現でマナを見つめた。
「友達を助けに来るのは、当たり前だよ」
マナは、あたしが何故そんな事を聞くのか解らずにキョトンとしていた。
「あたしは、マナの友達なの?」
あたしは、マナの心に聞くようにじっとマナの瞳を見つめた。
「えっ、何でそんな事を聞くの?
レジーナがあたしの友達なのは、当たり前だよ。
だいぶと前にレジーナと友達になったじゃない」
マナは、今更言うことでな、なさそうに当然のようにキョトンとしながら述べた。
「あたしは、マナの友達なんだね……」
あたしは、マナの言葉で胸の中が暖かくなり嬉しそうに微笑んだ。
「それじゃあ、レジーナ、六花達と合流してここから出よう」
マナは、あたしの方に右手を差し出した。
「うん、解ったよ、マナ!」
あたしは、マナの差し出した右手を掴んだ。
するといきなり床が崩れてあたしとマナは、穴そこに落ちていった。
あたしは、慌ててマナの体に掴んだ。
マナは、近くに落ちてきた糸を掴んだ。
あたしは、マナの背中にかつがれた状態になった。
「レジーナ、大丈夫?」
マナは、マナの背中に抱き着いているあたしに優しく話しかけた。
「うん、大丈夫だよ。
でも凄く辛そうだよ。
大丈夫、マナ?」
あたしは、マナの体調の心配をした。
「こんなの辛くないよ。
レジーナは、気にする必要がないよ」
マナは、軽く首を横に振り大丈夫な事を伝えた。
マナは、無理して微笑んだ。
「マナ……」
あたしは、マナが無理をしているのが解り心配そうにマナを見つめた。
「ねえ、レジーナ、先に崖から上がる事が出来ないの?」
マナは、あたしの力で飛べないのか質問をした。
「うんん、駄目みたい……
まだ力が戻ってないから飛ぶことができないみたいだよ……」
あたしは、力を使って空を飛ぼうとしたけれども何もおこらなかった。
「それならば仕方がないよね。
それならばこのまま上に登るしかないみたいだね」
マナは、あたしを背中に背負ったまま糸を使って登り始めた。
『ほ〜〜〜〜、このまま登ってもいいのかな?
この糸は、本当は、一人の重みしか耐えきらない仕組みになってるんだよ。
そんなに揺らして登ると途中で糸が切れるんじゃないかな?』
ベールの声が何処からともなく聞こえてきた。
その声を聞いて慌てて糸を見つめた。
すると糸に亀裂が入りだした。
「マナ、ストップ!?」
あたしは、慌ててマナに止まる事を伝えた。
「は、はい!」
あたしの声を聞いてマナが登るのを止めた。
すると糸の亀裂が止まった。
『止まったとしてどうするつもりだい?
二人で掴まってる限りいずれ糸は、切れるぞ』
ベールは、意地悪そうににやけた声を出していた。
「ッ!?」
あたしは、ベールの声を聞いて見下ろした。
真下には、溶岩がたまっていた。
「マナ……」
あたしは、不安そうにマナを抱き締めている力を少し込めた。
「大丈夫だよ、レジーナ」
マナは、あたしに向かって優しく微笑みかけてくれた。
あたしは、マナの笑顔を見ていたらあたしの胸の中がどきどきした。
そして胸が暖かくもなった。
「ねえ、マナ、あたしね、変になったみたいなの……
マナが嬉しいとあたしまで嬉しくなってね。
マナが楽しいとあたしまで楽しくなてね。
マナが悲しいとあたしまで悲しくなってね。
マナの為に何かしたくなったりもするの。
マナの事を思うと胸が暖かくなったりもするんだよ。
マナの事を思うと力がわいてくるの。
この気持ちは、何なのかな……?」
あたしは、マナを抱き締めながら優しく質問をした。
「レジーナ、それはね、愛って言うだよ」
マナは、あたしの言葉を聞いて嬉しそうに微笑みながら述べた。
「そうか……これが、愛なんだね……」
あたしは、マナを感じるように強く抱きしめた。
「マナ、今まで色んな事を教えてくれたよね。
楽しかった事も嬉しい事も悲しい事も沢山……
全て新鮮な気持ちで胸がぽかぽかして嬉しかったんだよ……」
あたしは、自分の気持ちを確かめるようにマナに自分の気持ちを伝えた。
「レジーナ……?」
マナは、何でそんな事を言ったのか解らずに戸惑いながらあたしの名前を呼んだ。
「マナ、大好きだよ」
あたしは、マナのほっぺたにキスをした。
それからマナに最高の笑顔を向けた。
あたしは、マナから手を離すと下に落ちだした。
あたしは、死ぬ覚悟を決めて目を瞑った。
「レジーナ!!」
マナがあたしの呼ぶ声が聞こえたけれどもマナが無事ならばそれで良かった。
「……?」
いつまでも溶岩につからないのに不思議に思い目を開けた。
するとあたしは、マナの足に挟まれていた。
「マナ、なんでなの……?」
あたしは、戸惑いながらマナを見つめた。
「勝手にあきらめないでよ!」
マナは、あたしに声を出して𠮟った。
「でもこのまま何もしなかったら糸が切れて二人とも溶岩に落ちるんだよ。
あたしは、マナが死んじゃうのが嫌だよ!!」
あたしは、涙を流しながらマナに悲しみを伝えた。
「糸が切れれば崖を登ればいいじゃない。
崖が崩れてもきっとまだ他の方法があるよ。
あたしを誰だと思ってるの?
あたしは、大貝一中学校の生徒会長なんだからね!!」
マナは、真剣な表現で大声を出してあたしに思いを伝えた。
「もうマナは、無茶苦茶だね……
でも何故かな……?
胸の中がぽかぽかに暖かくなるよ……」
あたしは、マナの気持ちが嬉しくて自分の胸を触った。
突然あたしの体が光りだして手首にある黒い輪っかが徐々に消えていった。
「えっ、あたしの力が戻った!?
うん、これならいけるよ」
あたしは、力を使うと自分の体が宙に浮きあがった。
マナの体を掴んで穴から飛び出すと地面にマナを降ろした。
すると近くにいた六花達があたし達に走って近づいてきた。
「マナ、レジーナ、大丈夫!?」
一番最初に近づいてきた六花があたし達を見渡して大丈夫なのか質問をした。
「うん、あたしは、レジーナのお蔭で無事だよ」
マナは、あたしの肩を触り嬉しそうに微笑んだ。
「レジーナさん、マナちゃんを助けてくれてありがとうございます」
ありすは、やんわりと微笑んでマナを助けたお礼を伝えた。
「ありすは、なんでお礼を言うの?
あたしは、したい事をしただけだよ」
あたしは、きょとんとしながらありすを見つめた。
真琴もあたしに近づいてきた。
「その……レジーナ、マナを助けてくれてありがとう。
レジーナの気持ちは、私にも伝わったわ。
私は、今のレジーナなら信じる事ができるわ」
真琴は、言いにくそうに話すとニッコリと最高の笑顔をあたしに向けた。
真琴は、レジーナの事を心の底から信じている事を伝えた。
「い、いきなり、何を言うのよ、真琴」
あたしは、真琴の言葉に顔を赤らめて照れて横を向いた。
突然空にパパ、キングジコチューの姿が映し出された。
『レジーナ〜〜〜私を裏切ってプリキュアを助けるか?』
パパは、怒ったように大声を出した。
「待って、パパ、あたしの言い分を聞いてよ!」
あたしは、パパを説得する為に空に映し出されたパパに歩いて近づこうとした。
『もはやお前は、私の娘ではないわ!!』
空に雷が数回光るとあたしの頭上に雷が落ちてきた。
「危ない、レジーナ!?」
真琴は、あたしを抱えて横に飛んだ。
あたしのいた場所に雷が落ちて大きな穴が空いた。
「レジーナ、大丈夫!?」
マナ達は、あたし達に急いで近づいてきた。
「パパが本気であたしを消そうとした……
あたしは、もういらない子なの……?」
あたしは、茫然としながら空に映るパパを見上げた。
「しっかりしてレジーナは、いらない子じゃないよ。
あたしには、レジーナが必要だよ。
それに六花やありすやまこぴー達もレジーナの事を大切に思ってるんだからね」
マナは、あたしの両肩を掴んで真剣な表情であたしを見つめた。
「マナ……」
あたしが、マナにお礼を言おうとするとまた空に雷が鳴り始めた。
『レジーナ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!』
あたしとマナは、空に映るパパを見上げた。
遠くからジョーが氷り付けのアンジュを抱えて近づいてきたのでマナは、お兄さんの方に向いた。
「お兄さん、王女様は、見つかったみたいですね」
マナは、お兄さんの方に近づいた。
「うん、アンは、見つかったよ」
お兄さんは、アンジュ王女を抱えながらマナの方を見つめた。
「それなら良かったです」
マナは、安心したように微笑んだ。
「レジーナ、あたし達と一緒に行こう」
マナは、もう一度あたしの方に向くと右手を差し出してきた。
「で、でも……」
あたしは、マナと一緒に行って良いのか迷った。
「そのうちレジーナのパパも話を聞いてくれる時が来ると思うよ。
だから今は、あたし達と一緒に行こう!」
あたしは、マナの言葉を聞いてゆっくりとマナの右手に手を伸ばした。
マナの手を掴む寸前で手が止まった。
『レジーナ、許さないぞ〜〜!?」
あたしがマナと一緒に行くのを許さないように大声で叫んだ。
「ッ!?
ごめんね、パパ」
あたしは、パパに謝るとマナの右手を掴んだ。
マナは、あたしの手を握りしめ走り出した。
それと同時にあたし達の周りに雷が落ちだして一生懸命に走った。
しばらく走ると宙に浮いた時空の裂け目が見えてきた。
時空の裂け目の前に来ると一度パパの方を見た。
怒ったかのようにあたしの名前を呼んでいた。
あたしは、小声で「ごめんね、パパ」て呟いた。
マナに手を引かれたまま時空の裂け目に飛び込んだ。
あたしは、これで本当に良かったか解らなかった。
でもあたしの手に繋がれたマナを見つめると不思議と心が安らかになった。
この気持ちがマナの言った愛なんだと実感した。
あたしは、手を繋いでいるマナに向かって「マナ、愛してるよ。」て呟いた。
マナの握る手を少し強く握り締めた。
マナは、あたしの方を振り向くと優しく微笑んだ。
あたしの思いに答えるかのようにあたしの手を握り返してくれた。
あたしは、このマナの笑顔だけでしばらく頑張れると思った。
〜つづく〜