BL・GL小説 (オリジナルで全年齢対象のみ)

Re: サイレントエレジー ( No.1 )
日時: 2015/01/23 23:24
名前: レチッド (ID: FDRArTRL)

*また君の泣きそうな顔*

「はぁっ…名津、大丈夫かなぁっ…」
僕は莱。名津は幼稚園の頃から今の高校3年生まで学校に往くのだってずっと一緒。
でも今日は僕が初めて寝坊した。
勿論名津は先に往っちゃったみたいなんだけど… 名津は喋ることができない。

あれは… 幼稚園の頃の咄───
「らいーっ!!」
「おはよう、なつ!!
今日は何して遊ぶーっ?」
「えぇっとぉ…ウサギさんと遊ぶっ!!」
「いいよっ!! あ…僕、せんせーに連絡のーと渡してこなきゃっ!!
先に往って待ってて!!」
「わかった!!
早く来てね? 待ってるっ!!」

その時僕は凄く後悔した。
先生にノートを渡し、ウサギ小屋へ向かおうと走り出したその時だった。
「キャーーー!!」
独りの先生の声が聴こえた。
ウサギ小屋からだ。
「なつ!!」
「莱くんダメっ!!」
ウサギ小屋から来た先生に道を塞がれた。
「なんで? なつは?」

僕は幼いながらも絶句した。
先生をすり抜けてウサギ小屋を診ると先生に抱き締められている血まみれの名津がいたのだ。
ウサギ小屋の中には恐らくウサギであっただろう肉の残骸が残っていた。

名津は泣きそうな顔をしていた。
その顔が今でも眼球に焼き付いていた。
それから名津は独りでいることが大嫌いで。

「名津!!」
急いで走ったおかげで直ぐに追い付いた。
「………。」
あの時のように泣きそうな顔をする。
「ごめん、ごめんね名津…」
頭をぽんぽんと撫でるとフルフルと頭を横に振って僕のワイシャツの裾を引っ張った。
「うん、往こうか。」
軽く頷いたのを確認して歩き出した。